メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

宗教家のビザ?

福岡を去って一ヶ月が過ぎた。福岡にはほぼ2年間いたことになるが、毎日同じ日常が繰り返されたため、あっという間に過ぎてしまった感じもする。 

街歩きを楽しむ余裕すらなく、結局、大宰府志賀島どころか福岡タワーへ登ることさえなかった。思い出に残りそうなのは博多の駅前ぐらいかもしれない。 

しかし、就学生らとの交流は決して忘れないだろう。というより、形を変えて今後も続けて行くつもりだ。福岡の日本語学校を卒業して、今、神戸の専門学校で学んでいるネパール人就学生もいる。彼らとは近日中に再会できるのではないかと思う。

 福岡で最後の就業日だった8月31日の朝、竹下駅の近くで久しぶりにナイジェリア人のサムソンさんと出会えたのは、なんとも言えず嬉しかった。

 私が送迎車の運転手を始めた頃、サムソンさんも配送センターで働いていたけれど、他の就学生らとは大分異なる存在だった。彼はキリスト教プロテスタントペンテコステ派)の宣教師だったのである。

 宣教活動でマレーシアへ行くと聞いていたが、日本のビザが取れたので、日本で活動を続けることになったようだ。以来、配送センターには来なくなったものの、竹下の駅前などで送迎車を見かけると、わざわざ挨拶に来てくれたりした。

 ビザについて、サムソンさんは「ミッショナリービザ」と話していた。おそらく外務省のサイトに記されている「宗教(例:僧侶、司教、宣教師等の宗教家など)」という分類のビザだろう。私はそういうビザがあると始めて知った。

 ところで、これは如何なる宗教に対しても審査の差がなく支給されているビザなのだろうか? 例えば、イスラムの宗教家として、日本での活動を許されている外国人はどのくらいいるのか気になった。

 もちろん、それをサムソンさんに訊いたり、問い質したりしてみるつもりは全くない。しかし、彼が少しでも他の宗教、特にイスラムについて理解してくれたらという思いはある。

 アメリカ人の牧師や宣教師に理解を求めることが無駄であっても、彼や韓国人宣教師の友人たちであればと、つい思ってしまうわけだが、逆に立場上かえって難しいのかもしれない。