メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

心を震わせる音楽

今まで色んな音楽を聴いてきたけれど、最も多く聴いたのはベートーヴェンモーツァルトの曲だったと思う。

これに続くのは、それほど沢山の曲を聴いたわけじゃないが、バッハやブラームスチャイコフスキーシューベルトなどだろう。

チャイコフスキーを除けば、いずれもドイツ人であり、バッハ以外の4人は、皆、ウィーンで暮らしていた。

そのため、一度はウィーンを訪れてみたい。彼らが眺めていた景色をこの目で確かめたいのである。

ホルンのような金管楽器を多用している所為か、その音楽には何となく「山の雰囲気」が感じられる。ウィーンの周辺からは、どんな山の景色が眺められたのか?

西洋音楽の源流は、ローマ帝国時代のグレゴリオ聖歌にあるという。それがドイツを始めとするヨーロッパの全域に広がり、西洋音楽を形作ってきたらしい。

そして、今や世界で親しまれている流行歌も、その殆どが西洋音楽の影響を受けているそうだ。

我々東洋人にとっては口惜しい限りだけれど、音楽はやはり西洋のものであると思う。

しかし、何故、美しい音楽は西洋に始まり、ドイツで発展したのだろう? 「山の景色」も要因の一つであったかもしれないが、中国でも日本でも「山の景色」は眺められる。

最も大きな影響力があったのは、やはりキリスト教の信仰ではなかったのか。その源流はグレゴリオ聖歌にあると言われているのだ。

新年の読書に「クオ・ワディス」を読んでしみじみと感じたけれど、キリスト教はイエスが全ての人間の罪を贖うために自ら進んで十字架にかかったという物語からして実に感動的で美しい。

人々に感動を与える美しい芸術、文学や音楽というものは、まさにここから始まったのだという説には、素直に納得させられてしまう。

しかし、人の心を震わせる美しさには、何か恐ろしいものが潜んでいるような気もする。

残念ながら、米国を始めとする現在のキリスト教の世界は、その恐ろしさばかりが際立っている。

まあ、人の世の現実には、何処でもいつの時代でも、そういう恐ろしさがあったのだろう。

ややこしいことは考えずに、ベートーヴェンモーツァルトの美しいミサ曲を聴いて、素直に心を震わせた方が良いかもしれない。

ベートーヴェンは殆ど信仰のない人だったと伝えられているけれど、例えば、以下の「ミサ・ソレムニス」などを作曲している時は、いったい何に心を震わせていたのか?

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