メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ウイグルの問題はどのように解決されるのか?

以下のYouTubeから視聴できるトルコの報道番組で、ジャーナリストのエミン・パザルジュ氏が述べたところによれば、3月25日、トルコを訪れた中国の王毅外相に対して、チャヴシュオール外相は、新疆省のウイグル人の問題に言及し、中国の政策を批判したものの、「我々は東トルキスタン(新疆省)の問題に関わる国際社会の発表、そして貴方たちを非難する声には加担しない。トルコ共和国として貴方たちに言う・・・」として、トルコの見解を伝えたそうである。

-トルコは、民族と宗教、そして文化の面で近い関係にあるウイグル人の問題に関心を持たざるを得ない。ウイグル人の基本的な人権が守られ、中国における平等な国民として自由と豊かさが享受されるように望む。ウイグルの問題をテロと分離主義に対する戦いと捉えるのは正しくない。-

等々が伝えられたと明らかにしたパザルジュ氏は、チャヴシュオール外相が中国との建設的な対話による問題の解決を望んだことが最も重要であると強調している。


Öztürk Yılmaz: "Türkiye'nin sınırları genişleyecek!" - CNN Türk Masası

欧米は、ウイグルの問題で中国を激しく圧迫しているが、おそらく欧米にとって重要なのは、この「中国を圧迫」であって、ウイグル問題の解決などどうでも良いのではないかと思う。トルコは真摯に問題の解決を願っているからこそ、中国との対話を望むのである。これは確かに最も重要なことであるに違いない。

経済封鎖ではウイグルの人たちも苦しむ。一帯一路は彼らにも経済的な利益をもたらすだろう。分けてもトルコで暮らしているウイグル人が一帯一路に期待を寄せているとしても不思議ではない。彼らの多くはトルコと中国の交易等に従事しているからだ。

そもそも、海に面していない東トルキスタンが独立したとしても、中国の協力を得なければ通商路を確保できないのではないか。

1994年頃、イスタンブールのゼイティンブルヌで出会ったカザフ人は「中国に隣接していることは、通商の面でカザフスタンにとって大きなチャンスだ」と述べ、同じ街で暮らすウイグル人の反中国的な態度を疎ましく思っているかのようだった。

一方、前述のトルコの報道番組では、チャヴシュオール外相の発言を伝えたパザルジュ氏に対し、元外交官のユルマズ・オズテュルク氏が欧米と全く同じ態度で中国を非難しながら反論していた。

オズテュルク氏はCHPの党員であり左派の人である。トルコの左派は、元来、反米で中国を支持して来たはずなのにいったいどうなってしまったのだろう? 

反米の立場からエルドアン大統領を支援し、中国を擁護する姿勢も崩していないドウ・ペリンチェク氏はやはり本物の左翼と言えそうだ。