メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

サウナの会話:「俺みたいな韓国人?」

先週、姫路の銭湯に付設されているサウナで汗を流しながら、周囲に座っている人たちの会話に耳を傾けていた。

最初、隣に座った40歳ぐらいの刺青男が、私の方へ向き直って、「ワイン1本2万6千円は高いね」と笑ったので、『えっ?』と思ったら、どうやら私の後ろに座っていた連れに声をかけたようだった。それから、私を取り囲むように座っている3~4人の男たちの会話に注意し始めたのである。

男たちは皆、30代後半~40代ぐらいの現場職人風で、刺青を入れている男が大将挌のようにも見えた。会話は姫路近辺のパブやスナックといった飲み屋についてだった。

そのうち、1人が新規に開拓した店の様子を語り出した。なかなか感じの良い女性がいるらしい。「韓国の人だったよ」と明らかにしたら、刺青男が「えっ? それは俺みたいな韓国人?」と訊く。

「いや、あんたみたいなのじゃなくて、向こうから来た人。好い娘だったよ」と返答された刺青男が、「そこ行って見たいなあ」と言い出し、後は詳細な場所の説明が始まったところで、私はサウナを出た。

これだけの話だが、「俺みたいな韓国人?」という言い回しがちょっと面白かった。

20数年前、私が大阪の島之内と鶴橋の辺りを比較するのに、ニューカマーにオールドカマーという言葉を使ったら、「お前らしくない言葉使いだ」と言われたけれど、上記のような会話だったら、私らしいと思われただろうか?

最近、マスメディアの日韓を取り巻く話題は奇怪なものばかりになって、読むとうんざりしてしまうけれど、巷では「オールドカマー」に「ニューカマー」も加わり、当たり前に交流が広がっているのだと思う。

嫌韓云々というのも、中には「韓国の人たちが嫌い」というより、歴史やら何やら小難しい話を持ち出して、したり顔に説く「文化人」とやらが嫌なだけの場合もあるような気がする。しかし、そうなると、「ニューカマー」なんて言葉もしたり顔で使っちゃあいけないかもしれない。

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