メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

韓国料理を食べながら考えたこと

今日の昼飯は、姫路の駅地下にある「bibim」という韓国料理チェーン店でランチを食べた。

「bibim」は博多駅前ビルのレストラン街にもあって、福岡にいた頃、何度か入ってみようと思ったけれど、いつも待っている人が多くて諦めた。待っていたのは若い女性たちが多かったように記憶しているが、今日の姫路の「bibim」でも店頭に並んでいたのは皆若い女性だった。

10分ほど待って席に案内されてから、ざっと店内を見渡したところ、来客の9割方が若い女性であるように思えた。私は大分浮いた存在に見えたに違いない。

2019年の11月に訪れた生野のコリアタウンでも若い女性たちの姿が目立っていた。福岡の「あぷろ」という韓国料理店などは若い女性客ばかりで男1人では入りづらい雰囲気が感じられたほどだ。何故だろう?

私と同年配の男たちが、少しお洒落な韓国料理店に余り興味を示さないのは何となく解る。30年ぐらい前に得た韓国の印象をそのまま維持しているのではないかと思える人たちもいる。彼らはお洒落な韓国料理店に群がる若い女性たちを不愉快に感じるかもしれない。

2011年頃、イスタンブールで、アナトリア通信の友人に呼ばれて、新聞記者協会の立食パーティーにのこのこ出かけたところ、4人ぐらい集まって談笑していた老齢のジャーナリストに呼び止められた。

その80歳は過ぎていたと思われるジャーナリスト氏は、「日本人? 日本人は凄いね、船に玩具の材料を積み込んで、太平洋を渡る間に組み立ててしまうというんだから賢いよ」とだけ言って笑い、『君はもういなくなって宜しい』という手振りで私を解放してくれた。多分、相手がいくら若くても、欧米人にああいう態度は取らなかったのではないかと思う。

そのジャーナリスト氏が思い描いていたのは、低価格の粗悪品を輸出して稼いでいた昭和初期の日本だったような気もする。

どうやら若い頃にインプットされたイメージは、固定化されてしまう傾向があるようだ。日本にも、韓国や中国を「低価格の粗悪品を輸出する国」と未だに思っている高齢者がいるかもしれない。

もちろん、トルコで私ぐらいの世代が思い描く日本のイメージは、かなり良くなっている。日本と言えば、真っ先に高度な科学技術を思い浮かべる人たちも少なくないと思う。

しかし、最近のトルコのニュース番組等を観ていると、東洋で話題になるのは圧倒的に中国である。ようやく良いイメージで語られるようになったかと思ったら、もう中国の影に隠されてしまったかのようで悲しくなる。