メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

「情報戦(心理戦)」~香港の事態

一昨日の朝、新快速に三ノ宮の駅、そしてポートライナーも急に人が多くなったように感じた。「緊急事態宣言」後の減少は徐々に進んだので、どのくらい減ったのか実感出来なかっただけで、やはり新快速で3~4割、沿線に医療機関の多いポートライナーでも2~3割ぐらいの減少はあったかもしれない。しかし、6~8割というレベルではなかったと思う。

報道によれば、「専門家会議」も宣言の前に感染のピークは終わっていたという見解を明らかにしたらしい。そうなると、政府は何故、「緊急事態宣言」を出したのかということになってしまう。マスコミによって危機を煽られた「世論」に押されてしまったのか、私が妄想したような「裏」でもあったのか・・・。

「裏」を妄想してしまうのは、トルコで2013年6月の「ゲズィ公園騒動」に始まり、2016年7月の「クーデター事件」に至る「情報戦(心理戦)」を思い出してしまうからだろう。

トルコが米国から仕掛けられたという「情報戦(心理戦)」は、トルコの識者らの指摘を鵜呑みにするわけでもないが、確かにあったと思う。それは既に100年前の「アラビアのロレンス」や「民族自決」で始まっていたかもしれない。

「情報戦(心理戦)」と言っても、ある種の「情報」を押し付けたり、逆に弾圧して遮断したりするのではなく、大量に流して「世論」を形成させるのが要点だろう。一旦、「世論」が形成されてしまうと、後からその過程に不可解な点があったと明らかにされても、何事もなく「世論」はまかり通ってしまうようである。

こういった「情報戦(心理戦)」に対抗しようとして、その「情報」を遮断したりすると、今度は「弾圧」と言って非難される。トルコも散々これでやられたため、もっと巧妙に対抗するようになったのではないかと思う。

ところが、遥かに大国である中国にそういう巧妙さが見られないのはどうしたことだろう? 「情報戦(心理戦)」のコロナに関連する所でも、「米国がコロナを持ち込んだ」と公的に発言したりして、その多くの対抗処置が裏目に出ているような気がする。

そして、今度は香港の事態である。これはもう「自分で自分の首を絞めてしまった」と言っても良さそうだ。今後の展開は、コロナ以上に恐ろしいかもしれない。