メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

「緊急事態宣言」は必要だったのか?

「緊急事態」もようやく解除され始めた。街角が活気を取り戻す日も近いのではないかと思う。これから、既に終わった「緊急事態宣言」についての議論はともかく、日本で重篤者が少なかった要因の科学的な研究の進展を期待したい。欧米ではBCG仮説などの検証も進められているらしい。

昨日、昼入った飲食店で聴いたラジオ番組のパーソナリティーが語る非科学的な「要因」には唖然とした。

お決まりの「日本人は清潔好き」に始まり、人種的な強さまで持ち出した挙句、「欧州ではトルコの死亡者数が少ないけれど、トルコ人中央アジアから来たので人種的にも日本人に近い・・」などと言い出した。もちろん「トルコは親日的」云々にも言及している。

トルコ人の「人種」と「親日」については何度も書いているから、繰り返したくもないが、日本人と人種的に近いのは、この人たちの大嫌いな韓国や中国辺りじゃないだろうか? コロナによる死亡者数は韓国や中国でも少ない。

こういう非科学的な人たちの「脳」も是非検証してもらいたくなる。

先日紹介した「トルコの識者の論説」、表題は「コロナを誇張すること」だったけれど、中身を読むと「誇張すること」が悪いとは言い切っていないような気もする。結局は「コロナ危機」を煽って来た米国の作り出した条件に従って合わせなければならないと論じているくらいだ。

筆者はトルコの政権に近い人物として知られているが、サバー紙の5月21日付けのコラムでは、今後、米国は標的を中国に集中して、ロシアにも対中国で接近するかもしれないと述べている。

中国はいよいよ国際的に孤立すると見て、米国に合わせようと考えているらしい。

日本も米国に合わせるよりないだろう。その是非をめぐって正邪を論じても仕方ない。どうにか、この無慈悲な世界で生きて行かなければならないからである。そのために「緊急事態宣言」が必要だったのであれば、これも仕方ないかもしれない。しかし、延期の必要まであったのだろうか? 中国叩きの大義名分として、「危機」は大きな方が良かったのかもしれないけれど・・・。