4月~5月の一時帰国中から、少しずつ始めていた糖質制限。6月末~7月末にかけての1ヶ月間ぐらいは、糖質を徹底的に制限する「MEC(肉・卵・チーズ)/超糖質制限」というのも試してみた。
これをやると、体がブドウ糖ではなく、ケトン体なるものをエネルギー源として使い始めることにより、体質に変化が現れるという。
ケトン体は、体内に蓄積されている脂肪をエネルギーに変えていくため、激しい運動によりブドウ糖を使い切ってガス欠になることもなく、運動の持続力が増すと言われ、少なからぬアスリートが、「MEC」を試みているらしい。
私も1ヶ月の間は、文字通りの「MEC」で、ヨーグルトも乳糖を含んでいるから食べなかった。おそらく、その間、糖質の摂取は、ピーマンやゴマペースト(ターヒナ)による極僅かなものに限られていたと思う。
ケトン体が出始めると、人によっては湿疹が生じることもあると書かれていたが、これは7月の初めに現れて3週間ほど続いた。痒くて往生したけれど、「よしっ! ケトン体が出ているぞ!」と納得することができた。
それから、7月15日のクーデター事件の5~6日後だったか、事件以来の興奮状態に陥っていた弱い頭で「ああでもない、こうでもない」と考えていたら、午後4時頃になって、早朝コーヒーを一杯飲んだきり何も食べていないことに気が付いた。
気が付いてみると、確かに腹は減っていたものの、疲れや脱力感はなく、何か食べなくても大丈夫そうな感じである。それで、水分は補給したものの、結局、何も食べずに夜11時ぐらいまで「ああでもない、こうでもない」を続け、そのまま寝てしまった。よく寝られたし、翌朝の目覚めも快調だった。
絶食したのは、さすがにこの1日だけだが、外を出歩いて昼を食べなかった日も2回ぐらいある。大概の日は、朝「チーズとコーヒー」、昼「鶏肉」、夜「ゆで卵」というパターンだった。
鶏肉は3~4食分まとめて茹でて置いて、サラダやカレーにして食べた。サラダには、油と酢を大量に使い、たまにゴマペーストをかけることもあった。油はオリーブオイルを使いたいところだが、トルコでもそんなに安くはないので、一度、特売で3割引きになっていたのを購入しただけである。
鶏肉を茹でる際、鍋を二重にして保温性を高め、一晩じっくり熱を通す「はかせ鍋」(博士鍋じゃなくて“穿かせ鍋”らしい)の方式も試してみたが、鶏肉の歯ごたえが全くなくなって美味しくない。最近、大豆を茹でる場合には、この「はかせ鍋方式」を使っているけれど、鶏肉には必要なかった。
8月以降は、徐々に制限を緩めて、大豆やヨーグルト、蜜柑なども食べるようにしているが、それでもパンやスパゲティ、菓子類は殆ど食べていない。
9月になってから、比較的、糖質の多いものとしては、パン類とビールを2回ほど、チョコレートを4回に分けて1枚食べただけじゃないかと思う。せっかく体調が良くなっているので、あまり緩めて元に戻したくないのである。