メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

マルマライのアイルルックチェシュメ駅

最近、イエニドアンからウスキュダルやカドゥキョイなどへ、途中高速道路を使う快速バスの路線が次々と新設されて結構便利になった。
中には、海峡横断地下鉄マルマライのアイルルックチェシュメ駅を終点とする路線もある。
木曜日の朝、そういった快速バスで、アイルルックチェシュメ駅に着いたら、ホームにマルマライの電車が見えていたけれど、今から階段を下って改札を通ったのでは、とても間に合わないだろうと焦らずにゆっくりバスを降りた。
しかし、乗客の一人が、バスを降りるや自信ありげに走り出したのを見て、私も男の後を追ったところ、男は階段の少し手前にあるエレベーターに乗り込み、「早く来い!」と私に手招きする。
それで、少しダッシュしてエレベーターに駆け込んでから、「あの電車、間に合いますかね?」と訊いたら、「出発まで未だ2分あるから急げば間に合いますよ」と笑っている。とても陽気な男だ。電車のダイヤも良く知っているらしい。
地下に降りて、エレベーターの扉が開くと、彼は「さあ! 走って!」と叫んでから、猛然と走り出した。一緒に走って改札をぬけ、階段をホームへ駆け上がったら、余裕で間に合った。最後の階段まで駆け上がる必要はなかったかもしれない。
「ありがとう!」と声を掛けながら電車に乗り、その男とは離ればなれの席に座った。男も笑いながら手を振ってくれた。何処の誰だか知らないが、朝からこういう出会いがあると、とても嬉しくなる。