メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

イスタンブールの最高峰!

イスタンブールは、9月の末まで半袖で出歩けたのに、10月になったら急に冷え込み、先週は、3日ぐらい暖房を入れる日もあった。この数年来、10月に暖房を入れたのは記憶にない。驚くほど急な冷え込みだった。
それが昨日は、また半袖で出かけられるくらい気温が上がった。何処か散歩に行こうかと思って、4月に登って来たチャタル・ダー(山)などの情報をネットで見ていたら、「イスタンブールの最高峰“アイドス・ダー”」というのが出てきた。
さらに、ウイキペディアで調べてみたところ、“アイドス・テペ(頂き)”は、537mの標高があり、イスタンブール広域市内の最高地点と記されている。アイドスとは、ギリシャ語の“アエトス”に由来し、これは“鷲”という意味だそうである。
“アイドス・テペ”は、マルマラ海に臨むカルタル区の北方に位置していて、この“カルタル”がまたトルコ語で“鷲”を意味している。うちからカルタルまでなら直通のバスもある。俄然、興味が湧いてきて、グーグルアースで位置を確かめてみたら、カルタル行きのバスが、登山口らしき所の直ぐ側を通る。これで、昨日の散歩は、“イスタンブール最高峰の制覇”と決まった。
昼の1時10分前のバスに乗ったら、登山口まで30分と掛からなかった。直ぐに歩き始め、20分ぐらいでとば口の丘の上に出ると、そこからアイドス山の全容が眺められた。左側にグーグルアースで確認済みの防火帯が見え、そこを辿れば難なく登れそうだ。
丘を降りて、防火帯の方角に向かったが、途中、山羊を連れたおばあさん、車で来ていた養蜂家の青年、やはり一人で散策中らしいお爺さん以外には誰にも会わなかった。
防火帯の所は直登に近く、半袖でも大汗をかいた。登り切ると、後は緩やかな上り下りで、テレビ塔みたいなものが立っている最高地点まで行ける。この辺りでは、おそらく反対側から登って来た思われる人たちを数人見掛けた。
ちょうど3時に最高地点へ辿り着いた。そこからは、カルタルの街、マルマラ海、そしてビュユック島まで見渡すことが出来る。頂きには、もう一人、マウンテンサイクルで登って来た青年がいて、彼に「この辺が最高点ですよね」と尋ねたら、「ええ、イスタンブールの最高地点標高537mです」とすらすら答えてくれた。
なんでも麓の街で生まれ育ったそうで、私の写真を撮ってくれたから、彼のスマホでも撮ってやろうとしたら、「もう、どのくらい撮ったのか解らないくらい写真があるから必要ないです」と笑っていた。
まあ、537mでは、東京の高尾山や大阪の生駒山にも及ばないけれど、マルマラ海が間近に見えるところが素晴らしい。アイドスという名前の響きも悪くない。
イスタンブール第2の高峰は、アイドスの直ぐ隣にそびえるカユシュダー、第3は我が家に近いチャタルダーの向こうのアレムダーだそうである。
黒海沿岸のシレ辺りに、もっと高い山がありそうに思えるけれど、驚いたことに、アイドスの北面に降った雨は、近くのリヴァ川に流れ込み、リヴァ川はチャタルダーの麓のパシャキョイ村を通ってダム湖に注ぎ、さらに北上を続けて、最後は黒海に到達するらしい。
いつになるか解らないが、次はアレムダーに登ってみようかと思う。

マルマラ海も肉眼では間近に良く見えたが、写真では逆光になってしまい、余りはっきり撮れていない。

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