メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

板門店ツアー

昨日、イスタンブールに帰ってきた。
韓国滞在中の23日には、板門店ツアーで、共同警備区域(JSA-Joint Security Area)やイムジン河に臨む展望台、北朝鮮工作員を送り込むために掘ったと言われる南侵第三トンネルなどを回った。
共同警備区域には、韓国人の場合、今でも特別の許可がないと入れないらしい。それで、日本語と英語のガイドさんが案内する“外国人用のツアー”だけが組まれているようだ。
北の金正恩様が無闇に煽ってくれたお陰で、参加したツアーの日本人観光客は、私と友人夫婦の3人だけ。日本語ガイドの女性を独占して、いろいろ質問できたから、とても良かった。
もちろん、ソウル市内にも緊張感など全くなかったが、ガイドさんによれば、ここは厳重な警備区域であるため、ソウルよりよっぽど安全なんだそうだ。
ガイドさんは、太陽政策を放棄した李明博前大統領を厳しく批判していた。午後の第三トンネルツアーのガイドさんは、逆に太陽政策について批判めいた話をしていたから面白い。

 ガイドさんが自分の政治的な主張を躊躇わずに披瀝するところは、なかなか韓国らしいと思った。
第三トンネルには、韓国人の観光客もたくさん来ていた。岩盤がむき出しになっているトンネルを見学した帰り、通路用に整備されたトンネルを登っていると、降りてきた女子高校生らに声をかけられた。「おじさん、この下に何があるの?」。
「第三トンネル」と答えたけれど、韓国語の“トンネル”の発音はちょっと難しい。女子高生は、きょとんとして少し私の様子を覗ってから、また「あとどのくらいですか?」と訊いた。

「200mぐらい」と言ったら、「どうしよう?」「帰りも計算に入れとかないと・・」などと仲間内で言い合いながら降りて行った。
多分、学校の課外授業として来たのだろうから、降りる前に引率の先生が説明しているはずだが、彼女たちは何も聞いていなかったらしい。軍事境界線の緊張感など何処にもないようだ。
トンネル入口の売店では、北朝鮮から輸入された酒も、いくつか売られていた。“力道山酒”というのもあった。
イムジン河の展望台も、韓国人の観光客で賑わっていた。

 展望台からは、ピョンヤンを通って中国にまで繋がっているという京義線の鉄路が見える。2000年に復元工事が完成したものの、現在、イムジン河を渡ってもうひとつ先のトラサン駅が終着駅になっているそうだ。

 イムジン河を渡ってくる三両編成ぐらいの気動車を写真に収めることができたが、1日に2回の運行というから、実に運が良かった。

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