ミニアトゥルクには、「ヒディヴ邸」もあります。
作家アフメット・アルタン氏は、最近、実際のヒディヴ邸を訪れた時の印象を次のように記していました。
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ヒディヴ邸の庭園に入ったところ、未だ車を降りたばかりの時から、異様な雑然とした雰囲気が私たちを迎えてくれた。
少し歩けば、今度はこの庭園で聴くことが似つかわしくない音楽が鳴り始める。
濃厚な焼肉の匂いが漂って来て、それは辺りの木々にも染み付いてしまったかのようだ。
子供たちが騒ぐ声の甲高さは教育の欠如を示し、スカーフを被った女性たちと顰めっ面をした男たちが花壇の間の小径を歩いていた。
建物の前では結婚式が催されていて、男女がイスラムの法に従って別々に、しかも誰一人笑顔を見せることなく座っているのが見える。
そして、あの美しい建物の内部は、正しく田舎町のクラブの状態になっていた。優雅さは粗雑な扱いを受けて消えうせてしまったかのようだ。裏切りにあったように感じ、怒りがこみ上げてきた。・・・・・
********************(拙訳)
さて、このアフメット・アルタン氏が、ミニチュアのヒディヴ邸を訪れたら何と言うでしょうか?
ミニアトゥルクに、焼肉の香りは漂っていませんでした。しかし、教育の欠如については解りませんが、甲高い子供の声は響いていたし、スカーフを被った女性や「顰めっ面」風の男性も多数往来。
おまけに、安物のデジカメを持った変なジャポン(日本人)がうろついていて、こいつは「セリミエ・モスク」の写真を撮ろうとして芝生に膝をつき、係員から注意されるほどの不埒な間抜け野郎です。
「頼むから、ミニチュアで満足して、本物の方には行かないように」と言われてしまうかもしれません。