メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコの大地震に思う

今従事している配送運転手の仕事は「寒い冬に適している」なんて良く言われている。車内は暖房が効いていて暖かいし、外では、大概、積み下ろしの作業で体が温まるからだ。

そのため、寒さに弱い私もそれほど苦にならない。しかし、先月の大寒波はさすがに堪えた。高砂市加古川市にも雪が降り、少し体を動かしたくらいでは全く温まらなかった。

それで『なんて寒いんだ!』と天気を呪ったりしたが、トルコ大地震のニュースを見たら、あの程度の寒さを呪った自分を呪いたくなってしまう。

現地では、氷点下の冷気の中で、今も救出活動が続けられている。被災者の苦しみは想像を絶するものであるに違いない。

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このYouTube動画から視聴できるニュースでは、ハタイの惨状が伝えられている。ハタイは震源地のカフラマンマラシュから離れているので、いくらか状況が良いかもしれないと思っていたけれど、とんでもない、倒壊した建物の数など最も大きな被害を受けたのはハタイじゃないかと言われているそうだ。(気温はカフラマンマラシュ等に比べて幾分高いようだが・・・)

2011年の5月、当時、ハタイ(アンタキヤ)の小学校に赴任していた友人を訪ねて、4日ほど滞在した。アンタキヤの心温まる朝食を御馳走してくれたテルカダイフ店のムルセルさんは無事だっただろうか? 他にも、美味しいフムスの店など、現地で訪れた所、知り合った人たちの状況が気になる。

もちろん、震源地に近いカフラマンマラシュやガジアンテプの市街地も甚大な被害を受けている。

1993年か94年、あの地域を旅行したことがある。カフラマンマラシュは、本場のアイスクリームを「ヤシャル・パスタネスィ(菓子店)」で食べるために数時間立ち寄っただけだが、「ヤシャル・パスタネスィ」は有名な店だから、現況に関する情報を得られるかもしれないと思って検索してみた。しかし、何の手掛かりも見つけることはできなかった。

ガジアンテプには2泊ぐらいしたと思う。ゲバブやバクラヴァが美味しいことで知られているから、色んな店で食べてみたけれど、前以て調べて行ったわけじゃないので、あの有名な「イマム・チャーダシュ」でバクラヴァを食べる機会はなかった。

この「イマム・チャーダシュ(İmam Çağdaş)」はどうなっているかと、こちらも検索してみたところ、以下のホームページに行き当たったが、ここには「地震のため明日からの発送になります」と記されている。どうやら無事に営業を続けているらしい。バクラヴァの発送も行われるようだ。何だか、生きているガジアンテプの街の息づかいが伝わってくるようで、少し安心させられた。仕事のある人たちは地震の被害に滅入ってばかりもいられない。可能であれば仕事を続けていかなければならないだろう。

地震といった天災は大きく報じられるため、遠く離れた日本でも注目を集めているけれど、世界の貧困地域では、内戦や疫病といった禍により、同等の悲劇が絶えず繰り返されているのかもしれない。

それを私は全くと言って良いほど気にかけることもなく平和な日本で暮らしている。これが特に幸せな状態であるとも感じていない。それどころか、ちょっと寒いだけでも天気を呪ったりしている。

怪我や病気もなく、五体満足で生きているだけでも有難いことなのに、文句ばかり口にしていたら罰が当たると思う。

1月25日、加古川でも少し雪が積もった。