昨日、夜勤明けに大阪の鶴橋へ出て、駅の周囲を少し歩いてみた。
鶴橋を初めて歩いたのは、1989年だった。以来、32年の間に何度この街を歩いたことだろう。
32年の歳月を経て様々な変化があったけれど、来るたびに驚かされるのは、その「変化」よりも「変わらない街の雰囲気」ではないかと思う。
私は32年前もキムチ等の食品を売る店のおばさんたちと韓国語でやり取りした。今は私の韓国語が下手になっただけで、おばさんたちの訛りのある日本語と韓国風のファッションは殆んど変わっていないような気がする。
しかし、32年前のおばさんたちが、そのまま変わらずにキムチを売り続けて来たわけはないのである。
32年前の当時、私は29歳で、50歳ぐらいの韓国人女性は、もちろん「おばさん」だから、躊躇わずに「아주모니(アジュモニ)!」と声をかけた。
昨日、チヂミを食べた店のおばさんも50歳ぐらいじゃないかと思うけれど、今や61歳で、多分、彼女より遥かに年上の私が「아주모니(アジュモニ)!」と呼びかけて良いものか、ちょっと考えてしまう。32年前、彼女は18歳ぐらいの少女だったのである。歳月というのは、なんと恐ろしいものなのか・・・。
だから、当然、変わらない街の雰囲気の中で、「はっ!」とするような新しさに感じ入ったりもした。
例えば、アパレルの店に掲げられた「고속터미널(コソクターミナル)」という看板。
かつての東大門のように、ソウルの高速バスターミナルのファッションモールが、韓国の新しいファッションの発信基地になっていて、そのファッションを日本で展開している店なのだそうである。
ネットでは「高速ターミナル」という店名で紹介されているけれど、店に掲げられた看板にも、上記のウエブサイトのHOMEにも「고속터미널」というハングルが記されているだけで、ハングルそのものが既に洒落たファッションの一つになっているのかもしれない。
時代は変わった!