メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

日本とトルコの投票所の光景

10月31日の衆議院選挙、私は特に一票投じたいという気持ちもなかったけれど、投票の様子を見ておこうと思って行くことにした。投票が行われた小学校は家から自転車で5分もかからない所にある。

投票を終えたのは4時40分頃だったが、場内は人影も疎らで閑散としていた。もちろん、時間的に遅かったこともあるだろう。午前中には結構賑わっていたかもしれない。

イスタンブールの外れにあるイエニドアンに住んでいた2015年の11月、投票所になっていた近くの学校に様子を見に行ったけれど、その時は人の多さに驚かされた。投票率が常に80%を上回っているトルコならではの光景だったと思う。

場内には立ち入らなかったので、投票の方法は確認できなかったが、以下のYouTubeの動画では、2017年4月の憲法改正国民投票に際して、エルドアン大統領夫妻が投票している場面を見ることができる。

まずは身分証明書らしきものを提示して投票用紙とスタンプのようなものを受け取っている。憲法改正の是非の欄に判を押せば済むシステムになっているようだ。大統領夫妻は、もちろん「是」に判を押したのだろう。

投票用紙に判を押す記入コーナーは、カーテンが閉められるようになっていて、投票用紙も封筒に収めた上で投じている。何だかとても厳重なのである。

夫妻は封筒を孫たちに手渡して投票させるというテレビニュース用の演出を試みているが、エルドアン大統領は、一応、管理委員に許可を求めて笑いを誘っている。

強面を装ったり、笑顔を見せたり、大統領もなかなか忙しい。

しかし、日本の投票所では、隣の記入コーナーを簡単に覗くことが出来るけれど、あれで大丈夫なのだろうか?

東京の東池袋に住んでいた30年以上前の話だが、投票所でアパートの管理人さんに覗かれて、その支持政党への投票を強要されてしまったことがある。

トルコの投票所ぐらい厳重にしておいてくれたら、私は不正な一票を投じなくても済んだに違いない。とても残念である。

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10月31日:衆議院選挙の投票所

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10月31日:衆議院選挙の投票所

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2015年11月:イエニドアンの投票所

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2015年11月:イエニドアンの投票所