メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコで格安航空機の事故

トルコの格安航空会社ペガサス航空の旅客機が、イスタンブールのサビハ・ギョクチェン空港で着陸に失敗、3名の方が亡くなる事故になったと報じられている。

イスタンブールにいた頃は、サビハ・ギョクチェン空港を起点にしてペガサス航空を度々利用していたので、事故機の無残な映像に驚いてしまった。

私はペガサス航空で危うさを感じたことなどなかったし、格安だからサービスはそれなりだったものの、不愉快な思いなども全くしていない。慣れ親しんで何となく愛着さえ感じていたくらいだ。

しかし、格安であるがために安全の方もそれなりだったのだろうか? というのも、ペガサス航空は、2018年の1月にもトラブゾン空港で着陸に失敗して滑走路を飛び出し、あわや大惨事という失態を記録している。いずれも、悪天候に着陸を強行したのが要因となっているようだ。

特に、今回の事故では、直前の航空機が着陸を見合わせていたらしい。まさかとは思うが、他の空港へ着陸したり、引き返したりした場合の補償を嫌って強行着陸に踏み切ったのだとしたら恐ろしい気がする。

1983年に、大韓航空機がソビエト領空を侵犯して撃墜された事件では、「燃料費の節約を強要されていた機長が最適のルートを狙って領空侵犯に及んだ」という説が囁かれていた。

大韓航空は、横風などの悪条件をおして着陸を強行する例も多かったのではないか。以前、YouTubeで「横風神技着陸」といった動画を観ると、トリの方で大韓航空機がよく登場していた。これには、ひと昔前の大韓航空パイロットには空軍の戦闘機上がりが多く、「腕に自信があった」という説もあるが、どうなんだろう?

そもそも、旅客機で必要もない腕など披露するのはどうかと思うが、私もイスタンブールからキプロス島に飛んだ航空機で、そういう腕らしき「技術」を見せてもらったことがある。

キプロス島の空港には都合6回も渡航したので、滑走路のどの辺に着地してから旅客ターミナルまで来るのか分かっていた。通常、着地して滑走路の端まで行き、Uターンして中央の旅客ターミナルへ戻るのである。

ところが、5回目だか6回目の渡航では、着地寸前まで窓の下に滑走路が見えない状態で、ぎりぎりの所に着地したかと思ったら、かなり急なブレーキで速度を落とし、滑走路の端まで行かずに中央で直角に曲がって、そのまま旅客ターミナルの前に着けるという離れ技を披露した。パイロットとしては慣れた空港だったのかもしれないが、『余計なことするなよ・・』と呆れてしまった。