メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

大元旅館 ― アンカラ公園 ― ドンドゥルマ(アイスクリーム)

ソウルの宿、大元旅館は今月で閉館するそうだ。最後に、もう一度泊まることができて本当に良かった。2年前に初めて泊まって感激し、なんとか近いうちに再訪したいと思っていたら、意外に早く実現したものの、これが最後になるとは・・・。
今回の一時帰国は、大韓航空のソウル経由にしたけれど、今年は特に安くなっていたのか、イスタンブール~東京の直行便より格安だった。これから一時帰国する時は、必ずソウル経由をチェックして置こう。場合によっては、安いうえに、日本も韓国も楽しむことができる。
さて、閉館してしまう大元旅館、ここはいつ頃からやっていたのだろう? 経営者の御夫婦に訊きそびれてしまったが、多分、80年代の初期ぐらいからではなかったかと思う。私がソウルに語学留学した87年には、既に日本人バックパッカーが集まる安宿として評判だった。
92年に、初めてイスタンブールで暮らし始めた頃は、同じようなバックパッカー宿が、イスタンブールにもたくさんあったけれど、いずれも物価の上昇と共にグレードを上げ、今やその殆どが洒落たホテルになってしまった。
ソウルの多くの安宿も、こういった変遷を経たに違いない。ところが、大元旅館は30年以上、安宿のまま続き、今、その歴史を閉じようとしている。これはなかなか得難いことであるような気がする。閉館間際になって、また泊まることができた私は幸せ者だ。
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旅館に置いてあった「ソウルの中の外国」という韓国語のガイドブックに、アンカラ公園なるものが紹介されていたので、早速出かけて見たけれど、アンカラ、もしくはトルコらしいのは、民俗博物館といったトルコ風の木造家屋が一軒建っているだけで、おまけにその日は休館日だった。残念・・・。
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旅館から歩いて15分ほど行けるインサドン(仁寺洞)は、かつて陶磁器や書道具を売ったりする店が並んだ、静かな味わいのある街だったように記憶しているが、今や韓国の若い人たちや外国人観光客が賑やかに行き交う、原宿と浅草を混ぜ合わせたような変な街になってしまっていた。
トルコのドンドゥルマ(アイスクリーム)の屋台なんて、昔の仁寺洞だったらミスマッチに思えただろうに、これがすっかり街の雰囲気に溶け込んでいる。
屋台をやっているトルコの人は、ドンドゥルマの本場カフラマンマラーシュ県の出身であると言う。私が半信半疑で笑ってしまったら、わざわざトルコの身分証明書を取り出して見せてくれた。毎年、夏季だけソウルに来て、ドンドゥルマを売っているそうだ。

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