メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

餃子の王将

週末のお楽しみは、先週も昨晩も博多駅近くの「餃子の王将」だった。最近は週末に出歩くことさえ少なくなったが、出歩いたとしても、せいぜい博多駅辺りまでで、ビールを飲みながら餃子を食べて帰ってくるのが唯一の息抜きになってしまった。

 「餃子の王将」は“安さ”が売りになっているかもしれないけれど、もっと高い店へ行っても、あれほど美味い餃子はなかなか食えないと思う。

 サービス過剰にならない気軽な雰囲気も私は好きだ。カウンター席に座って、一人ビールのグラスを傾けると、心地よい「雑踏の中の孤独」を味わうことができる。

 これだけの魅力が揃っていれば、店頭で少し待たされてもしょうがない。まず台帳に名前を書いて待つことになるが、先週、私の一つ前の欄には「朴」と記されていた。

 果たして店員さんが、この「朴」を何と読むのか気にかけながら待っていると、若い女性の店員さんは躊躇うことなく「パクさん」と呼び掛けて、客を店内に招き入れていた。

 今の時代、「朴」の韓国読みが「パク」であるのは、もう常識になっているかもしれない。

 ところで、40歳ぐらいで一人来店していた「パクさん」は、旅行者だったのだろうか、在住者だったのだろうか? あの日は、旅行者と思しき若い韓国人青年の二人連れも来ていた。

 店内で聞こえてくるのは韓国語ばかりじゃない。中国語も来る度に必ずと言って良いほど耳にする。どうやら、「餃子の王将」は本場中国の人たちからも認められているようだ。

 日本では、「餃子の王将」の餃子が工場で一括生産されているのを快く思わず、“手作り”などの美意識に拘る人も多いけれど、中国の人たちは「美味しければ良い」と余り意に介さないらしい。

 料理の味付けに「化学調味料」が使われていても殆ど気にしない。「あなたは、天然の素材を使うと、その味の違いが分かるのですか? 分からないでしょう? それなら良いじゃないですか」。中国的な合理主義ということなのかもしれない。

f:id:makoton1960:20190617142808j:plain