メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコの地方選挙・クルド人の動向

4月3日付けハベルテュルク紙のコラムで、ハッキャリ県出身のクルド人ジャーナリストであるムフスィン・クズルカヤ氏が、今回の選挙におけるクルド人の動向を説明していた。要約すると以下のようになる。

1990年代、トルコ政府は、PKKの温床になっているとして、南東部の多くのクルド人の村を取りつぶしてしまう。このため、多くのクルド人イスタンブールアンカラ等の大都市へ移住した。

その後、南東部に残ったクルド人はPKKの重圧にさらされ、大都市へ移住したクルド人はトルコ政府から重圧を受けるようになる。

大都市で、多くのクルド人は子供たちにクルド語を教えることもなく、クルドの文化や言葉は忘れ去られて行ったが、クルド民族主義は非常な高まりを見せる。今回の選挙では、こういったクルドの人たちの多くがCHPに投票した。

一方、AKPの“和平プロセス”で恩恵を受けた南東部のクルド人の中には、自分たちの票によって躍進したHDPの行政が塹壕を掘るなどして、PKKの武力闘争再開を支援したことに失望して、HDPから離れる傾向が生じた。

そして、HDPを見限った人々が、今回の選挙でAKPに投票したことにより、AKPはビトゥリス、シュルナクといった重要な県や郡で勝利を収める。

だから、「クルド人たちが一つの方向性を示して見せた」というような事実はないとクズルカヤ氏は言うのである。