メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコの地方選挙・トルコ共産党

 南東部のクルド地域で、イル(県)の下の行政単位であるイルチェ(郡)の選挙結果を見ると、結構、重要なイルチェ(郡)をAKPが取っていたりする。例えば、イランとイラクの国境に接し、PKKとの武力衝突が頻発していたハッキャリ県のシェムディンリ郡などである。

また、AKPの母体となったイスラム主義政党SP(幸福党)は、今回の選挙で9つの郡を獲得したに過ぎないが、その内の6つは南東部の郡である。

南東部のクルドやアラブの人たちは、保守的で非常に信心深いスンニー派イスラム教徒である場合が多い。そのため、かつてはイスラム主義的な政党の票田と見做されていた。

ところが、分離独立を目論むHDPの主要メンバーにはアレヴィー派が多いと言われ、左翼的なイデオロギーを掲げている。これに馴染めない人たちは存外少なくないようである。

一方、中央東部のトゥンジェリ県は南東部に隣接していて、クルド系ザザ人が多いものの、宗教的にはその殆どがアレヴィー派であるという。CHPのケマル・クルチダルオウル党首もトゥンジェリ県の出身で、アレヴィー派ではないかと言われている。ここでは昔から左翼的な政党が強かった。昨年の国政選挙は、HDPが52%の得票率で圧勝している。

このトゥンジェリ県に、今回はTKP(トルコ共産党)の知事が初めて誕生した。現在のトルコ共産党は2001年の成立とされているが、その歴史はオスマン帝国時代の1920年まで遡れるそうで、彼らはトルコの最も古い政党であると主張している。