メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

アンカラの夏の夜

イスタンブールは、10月になって急に涼しくなってしまった。ビールの美味い季節も終わりそうだ。
今年は夏の盛りに一時帰国していた。日本の夏はもの凄く暑かったけれど、その分だけビール(発泡酒)も美味くなった。やっぱりビールは汗かくぐらい暑いときが美味い。
一時帰国する前、イスタンブールは7月になっても妙に涼しく、なかなか夏らしくならなかった。7月の20日、黒海地方からの帰りに寄ったアンカラの夜が、かえって少し蒸し暑いくらいだった。通常、内陸に位置するアンカラは、イスタンブールより遥かに涼しいのだが・・・。
アンカラでは、例によって、ウルスの格安ホテルに泊まり、近くのレストラン「ウーラク」でビールを飲みながら“焼き鶏”を食べ、もう一軒、親爺酒場に寄って、またビールを飲んだ。
ああいう“焼き鶏”は、イスタンブールにでも何処にでもあるけれど、あれはアンカラへ来た時の儀式のようなもので、何故か、あそこで飲むビールはいつも美味いから不思議だ。
それから、ウルスの親爺酒場。一つのビルの中に、おそらく10軒以上の親爺酒場がひしめき合っていて、同じような雰囲気を醸し出している所はイスタンブールにもないかもしれない。どの店にも、大概、女性の従業員がいて、これもウルスならではじゃないかと思う。
この女性従業員たち、看板娘と言うほど若くもないし美人でもない。なんとなく“酒場の女”風ではあるけれど、特に愛想が良いわけでもない。注文聞いてビールを運んでくるウェートレスさんである。
かつては、イスタンブールにもこの手の親爺酒場がもっとあったと思うが、小奇麗な店が増えて、これに追いやられてしまったのだろうか。安くても小奇麗になっていて、気取った若い連中が気取って飲んでいる所が多いような気がする。そもそも保守的な人たちは余り飲まないから、トルコで飲酒というのは、元来ちょっと気取った行為なのかもしれない。
しかし、ウルスの親爺酒場に気取った雰囲気は全く感じられない。愛すべき酔っ払いもいれば、若いOL風の女性客が来ていることもある。ここで飲むビールも格別に美味い。

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