メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコの菓子メーカー

トルコの菓子メーカー、ウルケルとエティという会社が有名で、何処の小売店やスーパーに行っても、大概、両社の製品が売られている。ウルケル社は1944年、エティ社は1962年の創業。
ビスケットやケーキ、チョコレートといった両社の主な製品は、各々が中身から包装に至るまで、とても良く似ているような気がするけれど、こういった状況は日本でもそれほど変わらないかもしれない。
自国の市場で、どんな製品が売れるのか考えていくと、だいたい似たり寄ったりの答えが出てきてしまうのだろうか?
しかし、トルコで、ウルケルとエティの両社は、その思想的な背景が大きく異なると思われている。
ウルケル社は創業者一族が敬虔なムスリムで、経営方針にもある程度それが反映されているのか、近年、菓子ばかりでなく、あらゆる食品の分野に進出を遂げているものの、アルコールには全く手を出そうとしていない。
一方のエティは、政教分離主義の会社として知られていた。トルコには、軍支援協会(OYAK)という、退役軍人の年金等を運用する組織から出発した財閥があって、エティは昨年まで30年に亘って、このOYAK財閥から出資を受けて来たのである。
その為、以前、軍関係の施設では、エティの菓子しか売られていなかったという話も囁かれている。
それぐらい、思想的には異なっていたはずなのに、各々の製品が殆ど変わらないのは、結局、双方とも思想じゃなくて市場に基づいて経営してきたからだろうか? 

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