メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

美味しいタンドリーチキンとネパール人の家族

昨日のハイキング、行きは播但線野里駅から歩き始めたが、帰りは西尾根を降りてそのまま姫路駅まで歩いた。

歩道の無い、一方通行の狭い道を真っすぐ歩いて行くと、途中から人通りが多くなり、とても賑やかになってきた。

どうやら「町家の日」というイベントが行われているらしい。歴史を感じさせる古い家屋に、飲食店やアクセサリーなどを売る店が出店してイベントを盛り上げている。

「本場インド料理ガネーシャ」という看板を掲げた店では、タンドールでナンとチキンを焼き、大鍋でカレーを温め、サモサを揚げていた。

チキンの焼ける香ばしい匂いに思わず立ち止まって、暫く様子を見ていたが、調理している人たちは、何となくネパールの人たちであるように思われた。

接客を担当している日本人女性に尋ねて見ると、やはりネパールの家族であるという。

ナンとチキンを焼いているのがお父さん、カレーを温めサモサを揚げているはお母さん、そして娘姉妹が盛り付けを担当しているようだった。

私は香ばしい匂いを漂わせていたチキンだけを食べるつもりでいたけれど、結局、サモサにカレーとナンのフルコースを平らげてしまった。

食べ終わった頃に、中学生ぐらいの女子の3人組が現れ、盛り付けを担当している姉妹に向かって「アニシャ!(だったと思う)」と呼んで手を振ると、妹の方が嬉しそうに手を振り返した。

3人組に訊くと、彼女たちは中学校一年生で同じ教室の同級生なんだそうである。アニシャさんは、ネパール語と日本語はもちろん、英語もかなり話せるらしい。

お母さんは、娘の同級生が訪ねて来てくれたことに喜び、親しげに3人組と何やら話していた。タンドールの調理に忙しいお父さんも、そこから大きな声で「君たち、勉強しているかあ~」と呼びかけ、周りの人たちの笑いを誘っていた。

本当に和やかで楽しい、日本の将来に安堵したくなるような場面だった。

昨日はハイキングも良かったけれど、美味しいタンドリーチキンを食べて、こんな場面に居合わせたことが何より素晴らしかったのではないかと思う。