メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ウクライナ侵攻は「独裁者プーチン」の仕業なのか?

ウクライナの状況、トルコの時事番組をYouTubeで視聴しても様々な説・主張が飛び交っていて、いずれが正しいのか良く解らない。

多くの識者が、欧米はロシアを疲弊させるためにウクライナの泥沼に引っ張り込んだと論じているけれど、その泥沼で最も疲弊し苦しんでいるのはウクライナに他ならないだろう。

ロシアに対する経済制裁では欧米も損害を被るから、「ウインウイン」ならぬ正しく「ルーズルーズ」の戦いであるそうだ。

一方、ロシアの狙いは元々クリミア半島の周辺を確保して、ロシア領内に取り込むことであり、その意味では計画通りに進んでいると主張する人たちもいる。

かつてのエジェビット政権で経済担当相を務めたマースム・テュルケル氏もその1人で、それを実行させているのは狂ったプーチンでも独裁者のプーチンでもなく歴史的なロシアの国家思想そのものだというように述べている。

事態がロシアの計画通りに進展しているのかどうかは、かなり疑わしく思えるものの、「独裁者プーチン」だけの仕業でないことは確かじゃないだろうか?

マースム・テュルケル氏は、エルドアン大統領が「熱狂的なプロジェクト」と謳いあげているイスタンブール運河の建設についても、「トルコ共和国では、今まで一人の政治家が自分の考えで大きなプロジェクトを立案・成立させたことなど一度もない。プロジェクトはまず専門家が計画して立案され、それを時々の政治家たちが取り上げて議題に上げるのである・・・」と語っていた。

イスタンブール運河プロジェクトの立案は1990年まで遡り、1994年、エジェビット氏のDSP(民主左派党)も選挙の宣伝材料に加えていたそうだ。

しかし、テュルケル氏が経済担当相を務めた99年成立のエジェビット政権でこのプロジェクトは実現されなかった・・・。

トルコやロシアほどの規模の国家が、1人の「独裁者」によって運営されているというのは、やはり誇張されたお話しに過ぎないのだろう。

もっとも、私はロシアの状況については何も解っていないが、トルコでエルドアン大統領が「独裁者」でないことは間違いないと思う。