メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

韓国やトルコの人たちにとって国籍とは?

先月の20日で私は還暦を迎えた。上記の韓国人の友人も、トルコのイズミルから電話してきて還暦を祝ってくれた。

奥さんも電話口に出て祝ってくれたが、どういうわけかトルコ語である。私の韓国語が大分錆びついてしまったため、共通語をトルコ語へ切り替えようとしているのかと焦ったけれど、彼女のトルコ語も随分たどたどしい。

『なんでトルコ語なの?』と思っていたら、彼女は「ベン・トゥルキエ・ヴァタンダシュ・オルドゥム(私はトルコの国民になりましたよ)」と言って笑った。これには驚かされた。

トルコ人と結婚したわけでもないのに、なんとも思い切ったことをするものだ。

しかも、内縁かもしれないが一応亭主である友人の方は、まだトルコ国籍を取得していない。今後も国籍まで取ろうとはしないような気がする。

奥さんは、イズミルで韓国料理屋を開いたそうだから、その際の手続き等で「国籍があれば便利」と判断したのかもしれない。

トルコは二重国籍を認めているので、おそらく韓国籍の放棄を要求していないはずだが、韓国側はどうだろうか? 

2011年、部分的に二重国籍を認める法改正が行われたけれど、あれは外国人が韓国籍を取る場合に限られていたのではないかと思う。韓国人が外国籍を取得した場合にも適用されるのかどうか良く解らない。

いずれにせよ、韓国の人たちは、日本の我々ほど国籍を重く考えていないようだ。やはり大陸の人たちなのである。海外移住、あるいは移民も簡単に決めてしまう。日本で私たちが在日韓国人の国籍問題に頭を抱えているのは何だかアホらしくなる。

トルコに至っては、国籍など「戸籍に毛が生えたようなもの」ぐらいの扱いではないかと思わされた。

私もトルコにいた時分に国籍取得を申請していれば簡単にもらえただろう。

周囲のトルコ人たちは、「なんで国籍取らないの?」と不思議がっていた。口に出さないだけで、『この日本人、凄い民族主義者だな』と思われていたかもしれない。