メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

マダム・デスピナーのメイハーネ(居酒屋)

昨日(6月8日)の夕食は、マダム・デスピナーのメイハーネ(居酒屋)へ。ルム(トルコに住んでいるギリシャ人)女性の故デスピナーさんが、1946年に創業したという老舗のメイハーネ(居酒屋)である。
テーブルには、チロズ(干し魚を焼いて酢に漬けたもの)といったギリシャ語の如何にもルムらしい料理から、トピクのようなアルメニア人の料理も並んだ。
もっとも、チロズやトピクは、イスタンブールの多くのメイハーネ(居酒屋)で味わえる定番のメニューである。
政権党AKPの議員であるアルメニア人のマルカル・エサヤン氏が、「オスマン帝国は、当時のアメリカだったのだ」と語っていたけれど、様々な民族や文化が混淆したオスマン帝国の都は、昨日の食卓からも偲ぶことができる。
また、エサヤン氏は、「この地域は、強力な安定した国家が平和を築くか、あるいは弱小の各勢力に分裂して争い、列強の喰い物にされるかの何れかしかなく、中程度の国家が併存するという状態には成り得ない」と論じて、AKP政権による強力なトルコ共和国の必要性を強調していた。
つまり、南東部クルディスタンのトルコからの離脱などは、地域の混乱を深めて、列強に利するだけだと言うのである。
一昨日(6月7日)のテロは、そういったトルコからの離脱を図ろうとしているクルド勢力の仕業と考えられているが、今後、拡散・拡大する可能性は殆どないと思われ、事態が収束に向かう過程で起きた単発的な事件という見方が、今のところ支配的ではないだろうか。

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