メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

聖ニコラス大聖堂

ソウルで過ごした6日の間には、日曜日も入っていたので、東方正教会の聖ニコラス大聖堂に出かけて、日曜ミサを見学して来た。ここを訪れるのは、2013年の4月に続いて2度目だが、ミサを見学するのは初めてだった。
府主教はギリシャの方で、説教はギリシャ語で話され、韓国人の司祭さんが韓国語に訳していたけれど、典礼は韓国語で営まれていた。府主教も、ある程度は韓国語がお解りになっているようだ。
ウィキペディアの記述によると、韓国の正教会は、当初、日本の正教会と同じように、モスクワ主教庁の管轄下にあったそうだが、朝鮮戦争で活動停止の危機に陥った際、参戦していたギリシャ軍の従軍司祭たちの支援により、聖堂が修復されて活動も再開したため、1955年の信徒総会でコンスタンディヌーポリ総主教庁管轄下に移ることを決議したという。
この経緯は、朝鮮戦争によって韓国が、トルコばかりでなく、ギリシャとも強い絆を結んだように思えて興味深い。コンスタンディヌーポリ総主教庁のバルソロメオス総主教は、東京のニコライ堂を一度表敬訪問されただけらしいが、ソウルの聖堂は、1995年、2000年、2005年と、三度にわたって訪れているそうだ。聖堂の敷地内にある図書館には、バルソロメオス総主教の直筆署名入りと思われる写真も掲げられている。
2年前、この図書館で、韓国人信徒の母娘からコーヒーを御馳走になったけれど、今回、また母娘との再会が叶ったうえ、タチアナ金順徳という韓国人信徒の方が、日本語に翻訳された貴重な本まで頂いた。「エギナの聖ネクタリオス」という、近代ギリシャの聖人の半生を描いた本である。
この本を出版した韓国の正教会は、日本の正教会の協力も得て、これを日本でも販売したい意向らしい。こうして、様々な友好の輪が広がっていくのではないかと思う。 

 

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