メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ソウル聖ニコラス大聖堂

ソウルでは、マポ区にある東方正教会の聖堂も見学して来た。
キリスト教の盛んな韓国だが、圧倒的に信徒が多いのは、プロテスタントの各教派であり、カトリックの信徒も少なくはないけれど、正教会は、洗礼を受けた信徒も約3500人と振るわず、定期的に聖堂を訪れる信徒は僅か400~500人に過ぎないらしい。
基督教(キドッキョ)と言えば、これはプロテスタントのことで、カトリックは天主教(チョンジュギョ)と言い表して、明確に区別している。教会(キョフェ)という呼称もプロテスタントだけに通用し、カトリックの場合は聖堂(ソンダン)となる。
正教会は、文字通り“正教会(チョンギョフェ)”と呼ばれていて、教会ではなく“聖堂(ソンダン)”が通用しているようだ。私は、昨年、友人から教わるまで、韓国正教会の存在にさえ気がついていなかった。
ソウル聖ニコラス大聖堂の敷地内には、図書室兼カフェがあって、正教関係の図書も販売している。私が訪れた時、聖堂に人影はなく、カフェも閉まっていたが、案内を請うと、20代ぐらいの若い女性と中年の女性が現れ、カフェを開けて中に招き入れてくれた。
彼女たちは母娘だった。コーヒーを御馳走になり、韓国正教会のカレンダーまで頂いた。
カフェの入口には、バルソロメオス総主教の署名入り写真が飾られていた。総主教がこの聖堂へ来訪されたこともあり、母娘は拝顔の栄に浴したそうだ。
母娘の家族は、お母さんの祖父にあたる方が、聖堂の建設に携わった人たちと懇意になり、それが縁で正教会に入信して以来の信徒であるという。何だかこの家族の歴史を感じてしまった。

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