メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

何の御用でしょう?

先週の木曜日、近所のドライ・クリーニング取次店に初めてワイシャツを三枚お願いしたところ、受付にいた愛想の良い兄貴は、私の名を尋ねてそれを台帳に書き込み、「土曜日には上がっていると思います」と言うだけで、伝票も切りません。

まあ、こういうアバウトさはトルコじゃ当たり前のことだから、気にしないでお任せし、土曜日に取りに行くと、兄貴は私の顔を見るなり、「まだ来てないんですよ。夕方には来ると思いますが・・・」と恐縮そうな様子。私も急いでいたわけじゃないから、文句も言わずに店を後にし、今日、また出かけてみたところ、兄貴は私の顔を見ても何の反応も示さないばかりか、「何の御用でしょう?」などと間の抜けたことを訊きます。

私が呆れ返りながら、「ワイシャツを三枚取りに来たんだよ」と言っても、「はあ?」と要領を得ない表情のまま、後ろに掛かっているワイシャツの一群をかき分けたのですが、ちょうどそこに私のワイシャツが見えたので、「それだよ。その三枚だよ」と今度は少しきつい調子で言い放つと、兄貴は尚も「えーと、御名前は?」だなんて戯けたことを抜かします。

これに私は苛立ちを隠さずに名前を告げ、内心、『こいつどうしたんだ? 陽気が良くなって急にボケてしまったのか、それとも元来こういう奴なのか?』と考えていたら、そこへ奥の方から、もう一人兄貴が出て来て、愛想良く「メルハバ!」と挨拶するではありませんか。私は二人の兄貴の顔を見比べたまま唖然とするばかりでした。しかも、この二人、兄弟ではあっても双子ではないというから驚きます。世の中には良く似た兄弟がいるものです。