メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

居眠り運転

昔、長距離トラックで東名高速を往来していた頃、どうにも眠くて危険を感じた場合には、良く豊橋のバリアを越えたところの駐車スペースで一休みしたものです。その際、後ろの寝台を使うとと朝まで寝てしまうし、運転席のシートを倒しただけでも、かなり長い時間寝てしまうから、そのまま窓に頭をもたせ掛けて寝ることにしていました。この姿勢だと長くても20分ぐらいで目が覚めます。

さて、ある晩、大阪から東京へ向かって東名を走行中、岡崎を過ぎた辺りで凄まじい眠気を感じた為、『こりゃ一眠りした方が良いなあ』と思いつつ、「ハッ!」と気がついたら、前のトラックが目前に迫り、今にも衝突するかのようです。

『しまった! 居眠り運転だ!』と血の気が引くのを感じながら、必死にブレーキを踏みしめたものの、前のトラックとの車間距離は変わらず、依然として目前に迫ったまま、『うわーっ、ぶつかるー!』とハンドルを握り締め、半ば腰を浮かして、ブレーキに全体重を乗せました。

と、そこで気がついたのですが、自分のトラックも前のトラックも静かに停車していて、何処かで駐車中といった様子。我に返って、辺りを見渡してみたら、そこは豊橋のバリアを越えたところでした。でも、事実“半ば腰を浮かして”いたし、ひょっとすると、実際に「うわーっ!」とか悲鳴を上げていたかもしれません。

窓に頭をもたせ掛けていると、バリアから出た車が直ぐ横を走って行くのが視界に入る為、寝ぼけた頭は、自分のトラックが走っているように感じてしまったようです。