イスタンブールはヨーロッパ側で、中心地の“タクシム”と、アジア側へ向かう船が出る“カバタシュ”とを結ぶ“ケーブルカー方式の地下鉄”が開通しました。
途中に駅はなく、タクシム駅とカバタシュ駅を同時に出発する車両は真中ですれ違うことになります。
しかし、このタクシム駅とカバタシュ駅は共に地下駅であり、車両を地上へ回送できるような引き込み線もなく、完全に外部から遮断された状態。
古い漫才のネタじゃないけれど、いったいどうやって車両を中に入れたのでしょう?
“それを考えたら夜も寝られない”なんてことにならぬよう、思い切って駅員さんに尋ねてみたところ、ニヤッと笑って、次のように答えてくれました。
「車両はね、カバタシュ側から入れたんだよ」。
「でも、カバタシュの方だってオープンにはなっていないでしょ?」
「オープンな状態の時に入れて、後から覆ったのさ」
「それじゃあ、メンテナンスとかする時はどうするの?」
「メンテナンスは駅で出来るようになっている」
「車両を交換しなければならない場合は?」
「交換? もう車両に寿命が来るとでも言うのかい? これは未だ新品だよ」。
これが本当だとしたら、なかなか凄いことであると驚かざるを得ません。
今は新品であっても、いつかは車両に寿命が来るはずです。そんな遠い将来のことは考えていないということなんでしょうか?
それに、もしも、車両火災といったような不測の事態が発生して、寿命が来る前に車両を交換しなければならなくなったら、いったいどうするつもりなんでしょう?
また駅を掘り返して埋め直すのでしょうか? それこそ、これを考えたら夜も寝られなくなってしまうのではないかと思いました。