メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

「農協さん」~「バブル」~「おもてなし」の時代

「富士山に黒幕」が話題になっている。

インバウンドの観光客らが、コンビニの後ろにそびえ立つ富士山を写真に収めようとして集まり、多少の問題が生じたため、富士山を黒幕で隠してしまったという。

私は、この「富士山に黒幕」で、91年の夏、イズミルトルコ語学校でドイツ人の女性から聞いた話を思い出した。

彼女の出身地であるドイツの地方都市には、名所となっている古い建築物があり、辺りは遺跡保護のため車両の進入が禁じられているものの、日本の団体観光客を乗せたバスだけは例外として許され、名所の前でバスを降りた日本の人たちは、様々な角度から写真を撮ると、またバスに乗って慌ただしく去って行くそうだ。

彼女は、これを「日本人の印象」として、ジェスチャーを交えながら楽しそうに語っていたけれど、住民の中には不愉快に感じていた人もいたのではないだろうか?

当時は、バブルの絶頂期で、日本人観光客はたくさんの金を落として行くこともあって、世界の至る所で持て囃されていたようである。

その10年ぐらい前には、「ノーキョー(農協)さん」の団体観光客が世界で有名になっていたのではないかと思う。

実態はどうだったのか解らないが、日本の国内では、「何も知らない農協さんが粗野な振る舞いにより行く先々で顰蹙を買っている」と識者や事情通が眉をひそめて語っていたりした。

それが今や、「外国人観光客の振る舞いが良くない」と日本中で眉をひそめて語り合うようになっている。10年~20年ぐらいの単位で時代はどんどん変わって行くということなのかもしれない。

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