メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

10リラの城壁

難攻不落を誇った“テオドシウスの城壁”は、1453年にオスマン帝国の攻撃を受けて陥落し、その後、オスマン帝国時代には修復されなかったのか、現在も多くの部分が崩れかけたままになっているけれど、マルマラ海側の起点近くには、整然とした威容を見せている一画がある。この一画は、陥落の4年後、オスマン帝国によって建設されたそうだ。
先月末、城壁を歩いた目的の一つがこれだった。
行く前から、入場料を取るという話は聞いていたが、辿り着いてみたら、これが10リラと結構な値段で驚いた。係りの男に、「これ、1リラの間違いじゃないの?」と訊いたら、「今時、1リラで何が買えるんですか?」と笑っていた。
しかし、そこから中の様子を覗ってみると、がらーんとして来場者は殆どいないようである。それで、「ほら、10リラも取るから誰も来ないじゃないか」と皮肉ったところ、「30分前ならね、80人いましたよ」とやり返された。80人の団体観光客が来ていたらしい。
中へ入ると、『10リラも払ったのだから』と登れる所は全て登って、隈なく歩いて見た。1時間以上掛かったと思う。望楼の上まで登ると、マルマラ海はもちろん、アジア側から、ヘイベリ島やビュユック島まで見渡せて、なかなか素晴らしい眺めだった。
10リラの価値は充分あるかもしれない。

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