メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

創価学会と統一教会

創価学会池田大作氏が亡くなり、様々な論評が出ている。「民衆の信仰の場である創価学会に最盛期をもたらした」という肯定的な評価も多い。

私はその魅力が何処にあったのか良く解らないが、それは信仰を同じくする人でなければ共感できないものであるような気もする。

しかし、創価学会を「民衆の信仰の場」であるとする評価は、多少なりとも理解できる。統一教会などとは明らかに異なっていたと思う。

統一教会には、トルコのギュレン教団との類似性が感じられるけれど、創価学会はエルバカン元首相が率いた「Milli Görüşü(国民の思想)」に近いかもしれない。

エルバカン氏の「Milli Görüşü(国民の思想)」と創価学会は、いずれも政党を作り、選挙で勝つことにより社会的な影響力を持とうとした。

もっとも、エルバカン氏は、当初より政権の奪取を目標に掲げながら、それを実現させている。そのために、地道な選挙活動を繰り広げていた。現在のエルドアン大統領はエルバカン氏の愛弟子である。

トルコで多数派を占めるイスラムスンニー派の団体だった「Milli Görüşü(国民の思想)」と日本の仏教各宗派の一つに過ぎない日蓮宗の中から出発した創価学会を比較してはいけないが、創価学会の選挙活動には多少無理な所もあったようだ。

私は30年ほど前に、借りていたアパートの管理人さんから投票を強要されて困った思い出がある。

一方、ギュレン教団は、政党など作らず、有能な弟子を軍部や官僚機構に送り込み、傘下のメディアを使って国家を裏から支配しようとしたという。

また、エルドアン大統領を始めとする「Milli Görüşü(国民の思想)」のメンバーが中心となって立ち上げた与党AKPも、当初はギュレン教団に乗っ取られた状態ではなかったかと論じられたりしている。

統一教会もエリート的な組織であり、傘下のメディアを有効に使った点が指摘されていた。米国の関与が取り沙汰されている所もギュレン教団と同様である。

他にも、米国に基盤を持つキリスト教系のカルト教団には、エリート層へ食い込もうとする傾向が見られるらしい。その多くは、米国が政治的に使う目的で創設した機関ではないかという説もある。

こういったカルト教団に比べたら、創価学会は確かに「民衆の信仰の場」と言えるかもしれない。

もちろん、創価学会にも「聖教新聞」というメディアがあるし、内外で有名な歌手などを広告塔として使っていたけれど・・・。

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