メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

酒浸りの週末/シベリアのウォッカで乾杯!

先週末は職場の特別休暇で土日と2連休になった。それで、まずは土曜日に、高校同期の友人と大阪の谷町にあるロシア料理の店「ボーチカ」で一杯やることにした。

ボーチカ(Бочка)とはロシア語の「樽」で(ウクライナ語も同じくБочка)、この店にはウォッカの銘柄が数多く揃っているという。ウォッカを飲もうとしたら、さすがに翌日は休日でなければ心配になる。2連休は、ウォッカのために、またとないチャンスだった。

ウォッカの一杯目は良く知られている「ストリチナヤ」で、これを前菜のザクースカと共に堪能した。それから、店のマスターの御勧めでラベルに熊が描かれているウォッカを飲んだ。ラベルばかりでなく瓶の底にも熊の足跡が彫られているところが面白い。シベリアのエカテリンブルグで製造されているウォッカだそうである。

料理は何を食べても美味しかったが、特にボルシチが素晴らしかった。先週、ビーツで作ったスープに「ボルシチ風」なんて言ったのが恥ずかしくなる。

飲んで食べて、ロシアに精通したマスターの話を聞いた。これがまた楽しかった。そして、マスターは最後に極めつけの一瓶を取り出した。イスラエル産のアラック、つまりトルコのラクである。最後に飲んだ所為か、これがとても効いたように思う。

こうして出来上がってしまうと、一軒では済まなくなるのが酒飲みの常だろう。「ボーチカ」を後にすると、島之内まで歩き、台湾料理の看板を掲げたガチ中華で食べながら、またしても紹興酒を一本空けてしまった。

この店は台湾料理と言いながら、チャヂャンミョンなど韓国風の中華も出す。何故かと言えば、マスターが在韓華僑なのである。

もしやと思って、亡くなった在韓華僑の友人について尋ねてみたけれど、世代が一回り上で、どうやら接点はなかったらしい。しかし、私が下手な韓国語で問いかけたので、結構話が盛り上がった。

そして、この土曜日の晩は、結局、谷町の友人宅で沈没。翌朝は9時過ぎになってようやく起き上がったものの、頭が重たくてはっきりしない。友人は「家にいても何も手につかないだろう」と言い、気分転換に三宮の辺りを歩いてみることにした。

三宮まで出ると、多少目が覚めてきて、あちこち寄り道しながら北野天満宮まで歩いたら腹も減り、「何処かで昼飯を食べて行こう」ということになったので、ハルピン出身の朝鮮族の女性がやっている中華料理屋へ友人を案内した。

朝鮮族の女性はいつも私の下手な韓国語に付き合ってくれていたけれど、友人の中国語を聞いたら、「こんな中国語を話す日本の人を初めて見た。知らなかったら中国人だと思ってしまう」と驚き、「漢族の主人に紹介したいから、今度は晩に来てください」なんて言いながら、とても楽しそうだった。

というわけで、話が弾んで、ここでも昼間からビールをどんどん飲んでしまい、まさしく酒浸りの週末となった。

友人の中国語には誰もが驚くようだ。亡くなった在韓華僑の友人も驚いていた。しかし、前の晩の台湾料理屋のマスターは在韓華僑で、今度は朝鮮族の女性、何だか頭がこんがらがってしまうけれど、大陸には様々な出自のバイリンガル、あるいはトライリンガルが珍しくないに違いない。トルコもそうだったが、国際結婚が増えている日本でも、そのうちバイリンガルなど珍しくなくなってしまうかもしれない。そんな近未来を想像すると何だか楽しくなってくる。

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