メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ボルシチが平和の味となるように・・・

先週、近所の業務スーパーでビーツが売られているのを見て、懐かしさの余り一つ購入してきた。トルコでは「パンジャル(Pancar)」と言い、サラダの具に使われたりしていた。日本では「ボルシチ」の材料として知られているのではないかと思う。私も大豆と鶏肉を加えてボルシチ風のスープを作って見たらなかなか美味しかった。

ところで、私はボルシチをロシアの代表的な料理と思っていたけれど、今、ネットで検索してみたところ、ウイキペディアを始めとする多くの記事が「ウクライナ料理」として紹介している。

私が子供の頃は、ソビエト・ロシアの地方料理という扱いだったのが、ウクライナ共和国の独立と共にウクライナ料理もロシア料理から独立したということだろうか?

考えてみると、ソビエトが崩壊して既に30年が経過している。

2004年頃、イスタンブールのロシア教会で知り合ったウクライナ人女性は、ソビエトに強い郷愁を抱いているようだったが、例えば、高校へ進学する前に崩壊を迎えてしまったゼレンスキー大統領の世代には無縁の感情であるかもしれない。

ゼレンスキー大統領よりも4歳若いクレーバ外相などは、独立したウクライナ共和国の国民として育った世代だろう。

ロシアのウクライナ侵攻は、もともとクリミヤ半島の周辺を取り込んでロシア領内に直結させるのが目的だったのではないかと言われているけれど、当初、キエフ周辺に圧力をかけたのは『それでウクライナが手を上げてくれたら儲けもの』と甘い打算があったという説もある。

それが事実であるとすれば、まさしく「世代間の違いを考慮しなかった大きな誤算」と言えるかもしれない。

しかし、武器の援助を小出しにしている米国・NATOのやり方を見ていると、「米国の目的はウクライナの泥沼化によってロシアを疲弊させること」という説もなかなか的を射てるような気がする。そうであれば、米国の援助を期待したウクライナ側にも大きな誤算があったに違いない。

双方の誤算によって始まった戦争は、双方を疲弊させて大きな被害をもたらしてしまう。一刻も早い停戦を実現させなければならないだろう。そのためにトルコ政府も仲介に尽力している。双方の国民が仲良く食卓を囲んでボルシチを味わえる日が近いことを祈りたい。

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