メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

韓国映画「パラサイト」

アカデミー賞で話題になった韓国映画「パラサイト」、未だ予告編しか見ていない。ネットで検索して「あらすじ」を読んだところ、面白そうだけれど、少し話が陰惨でどぎつ過ぎるように思えた。

私のように情けない人生を送ってくると、映画ぐらいは「爽やかで美しい話」が観たくなる。余りにも陰惨だったり「救い」がなかったりする映画は、ちょっと敬遠してしまう。

「今までに観た映画の中で最も印象に残っているのは?」と訊かれたら、「ローマの休日」に「ライムライト」、それから「アラビアのロレンス」と答える。それほど沢山の映画を観たわけじゃないし、韓国映画はもちろん、邦画も少ししか観ていないが、映画はやはり欧米のものじゃないかと思う。邦画も韓国映画も暗い色調のややこしい話が多くて、最近はますますその傾向が増してきたような気がする。

韓国映画で印象に残っているのは「コレサニャン(鯨とり)-1984年」だ。暗い感じで始まって最後にパッと明るくなるところが良かった。84年と言えば、韓国はまだまだ貧しかったはずである。だからこそ、救いのある話が良かったのかもしれない。逆に、豊かになって満ち足りて来ると、救いのない惨めな話を観たくなってしまうものなのか?

そもそも、現在の韓国で「パラサイト」に出て来る家族ほど貧しくて悲惨な生活をしている人たちはどのくらいいるのだろう? 少なくとも映画を観た多くの若い人たちにとっては、想像もできない世界だったに違いない。しかし、それなら想像もできない美しい話を観た方が良いのではないかと思うのだが・・・。