メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

イスタンブールには変人が多い?

1ヵ月ほど前、ベイオウルのフランス横丁の坂を下りたところの裏通りを歩いていると、レコードを売っている小さな店が目に付いた。
ちょっと珍しいなと思って、店の中を覗いたところ、以前、何度かコマーシャル等のエキストラ出演で一緒になった韓国人の李さんが座っている。驚いて中へ入り、挨拶もそこそこに、何をやっているのか訊いたら、未だ開店準備中だが、そこは李さんの店であるという。
初めて撮影現場で顔を合わせた時には、「韓国人学校で教員やっています」などと自己紹介していたから、わりとお固い人なのかと思っていたが、そうでもなかったようだ。そもそも教員といっても、それは臨時雇いのアルバイトみたいなものだったらしい。
その日は、他に用事もあった為、少し立ち話しただけで、「開店したら、また来ますよ」と言って店を後にした。
実を言うと、私はそれまで、レコードの製作・販売が未だ続けられていることさえ知らなかった。李さんの店も『中古のレコード屋か?』と思って覗いたくらいだ。最近は、一部の愛好家の間でレコードの音が再評価されていて、結構“新品レコード”の市場も広がりを見せているそうである。
李さん自身も、そういった愛好家の一人なのだろう。ひょっとすると、韓国にいた頃から、ミュージック関連の仕事をしていたのではないか。また、欧米に長く滞在していたような気もする。
それで、昨日、あらためて店を訪ねて雑談しながら、トルコ以外の海外経験について訊いてみた。すると、トルコへ来る前に、少しカタールで働いていたことがあるだけだと言う。
カタール? カタールで何やっていたんですか?」
「韓国の建設会社で働いていたんですよ」
「それじゃあ、まさか大学でも建築学部とかにいたんですか?」
「ええ、都市工学です」
これには驚かされた。まずは相当な変人のようである。1974年の生まれというから、30代半ばにして、大きく路線変更を図ったというか、脱線してしまったというか・・・・。
いずれにせよ、こういう変人と知り合えて良かった。イスタンブールには、変わった連中を引き寄せる何かがあるのかもしれない。

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