メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

近所の家電修理屋さん

夕方(土曜日)、家電修理屋さんの前を通ったら、入口の脇に大型の冷蔵庫が置かれている。綺麗にビニールで覆ってあるから、修理が済んで、お客さんに引き渡す製品なのだろう。

見ると、ちょうど目線が行く高さの所に派手なステッカーが貼ってあり、「AKPは出て行け!」みたいな文句が書かれている。「何これ?」と修理屋さんに訊いたら、「そのお客は、CHP支持者なんだよ。選挙に勝っていれば、新しい冷蔵庫を買っていただろうに、残念だったよなあ」と言いながら、愉快そうに笑った。

修理屋さんは、エルドアン首相と同郷のリぜ県出身で、熱烈なAKP支持者である。40歳ぐらいじゃないかと思う。実兄と2人で店を運営しているようだ。いつも、店には修理を待つ冷蔵庫や洗濯機が何台も並んでいて、景気は良さそうな感じがする。今日は、掃除機を修理している最中だった。

家電の修理については、子供の頃から働かされて、実地で学んだと言う。多分、当時の義務教育(5年制)を卒業しただけみたいだけれど、日本や韓国の事情についても随分良く知っている。訊くと、全てテレビの紀行番組などから得た知識らしい。

彼は、私の話も驚くほど詳細に覚えている。よっぽど好奇心が強くて、記憶力も相当良いに違いない。

ところで、91年に、イズミル学生寮で知り合った友人のムスタファは、郷里のアダナから、わざわざイズミルまで出て来て、電気の専門学校に通い、ルレブルガスの電気屋に職を見つけた。

ブラウン管テレビの修理などはお手のもので、10年ぐらい前までは、修理の仕事も多かったらしい。しかし、その後間もなく薄型テレビの時代になり、ムスタファは敢え無く失職してしまった。

ムスタファも好奇心旺盛で、私が伝えた日本の話ぐらい皆覚えている。それに活字から得た知識もある。でも、これが何の役に立つだろうか? 以来、ムスタファは飲食店で働きながら家族を養っている。

今日、家電修理屋さんで景気の良い話を聞いていたら、つくづくと世の中の移り変わりを考えさせられ、ため息が出た。

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