メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ハンガリー映画「イスタンブール」

先日、DVD屋で偶然「イスタンブール」というハンガリーの映画を見つけた。イスタンブールを舞台に、トルコの有名なシンガーソングライターで俳優でもあるヤヴズ・ビンギョルが出演している。

ハンガリーにはとても興味があるから、躊躇わずに購入して、早速全編を観た。ブダペストで、主人公の中年女性は、突然、大学教授の夫が家を去ってしまい、非常なショックを受ける。そして、ヒッチハイクの旅に出て、イスタンブールまで来てしまう。イスタンブールでは、投宿した安ホテルでトルコ人の技師と知り合い、ちょっとした恋心を覚える。

このトルコ人技師を演じているのがヤヴズ・ビンギョル。私はトルコの歌を余り聴かないので、ヤヴズ・ビンギョルの歌も、ルムの故マリアさんのところで何度か聴いたことがあるくらい。ちょっと渋めのトルコの民謡風な歌で、マリアさんはヤヴズ・ビンギョルが大好きだった。

映画には、ブダペストの街角の風景も出てきて興味深かったが、イスタンブールの街角の描写も、それに劣らず興味深かった。2011年という制作年が信じられないくらいノスタルジックなイスタンブール。特に、トルコ人技師と知り合うホテル・ユルマズラルと周囲の街並み・・・金角湾に面するバラットの街だった。

昔ながらの鯖サンド船も出てくるけれど、あれは何処で撮ったのだろう? 今やエミノニュの鯖サンド船は、テーマパークにあるような金ピカの見世物になっていて、昔の面影はない。あの古い鯖サンド船を探すのは苦労したんじゃないかと思う。

中年女性は、逃避行の末、最果てのアジアまで来てしまう、という設定のようだから、イスタンブールブダペストより派手な都市だったら困るのかもしれない。しかし、高々人口300万ぐらいのブダペストに比べて、イスタンブールは1千万を越える大都会だからねえ・・・

この中年女性を演じている“Johanna Ter Steege”という女優さん、調べてみたところ、彼女はオランダ人だった。マジャール語が解るという話も記されていない。「えっ?」と驚いたけれど、考えてみたら、彼女がマジャール語を話すのは、冒頭の場面で肉屋と交わす「こんちわ」と「はい」ぐらい。夫に別れを宣告されてから、ヒッチハイクハンガリーを後にするまでは、ショックで口もきけないということになっていた。しかし、なんでオランダの女優さんを起用したんだろう?

 

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