メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

大変な大工事・・・

辺り構わず掘り返しての大工事も、我がイエニドアンのような僻地なら、それほど問題にならないけれど、今、イスタンブールのど真ん中、タクシム広場付近が掘り返されて、大騒ぎになっている。

広場に至る周囲の道路を地下に移して、広場を拡張する計画のようだが、イスタンブールの心臓付近の動脈とも言えるような道路を封鎖して掘り返し始めたものだから、周囲は大混乱。交通渋滞は、隣接する全ての地域に及んでいる。

なかでも酷い目に合っているのは、道路沿いの商店。目の前を掘り返されて、開店休業状態、さっさと店を閉めてしまった所も多い。家賃とかどうしているんだろう?

工事の計画は知らされていたと言うが、どの道路がいつからいつまで閉鎖されるといった詳細については、何も明らかにされないまま、いきなり工事が始まり、損害補償など全く話し合われていないそうだ。

計画の段階で、反対の声は上がっていて、市民グループの抗議集会もあったけれど、それは「広場の公園の緑」とか「歴史的な景観」に関わるものだったらしい。

まったく、こんな“発展”を推し進める政権与党AKPの市政も無茶苦茶だが、野党のCHPは何をやっているんだろう? こういう時こそ出番なのに、役割を果たしているようには見えない。

最近、かつての激しいイデオロギー対立も影を潜め、健全な与野党関係が出来たように見えるものの、それは単なる馴れ合いというものなのか?

与野党間の激しい対立どころか、軍の動きにも注目が集まり、緊張が高まっていた2006年頃、イズミル在住の韓国人の友人が、イスタンブールでも事業を展開しようとして、許認可の件をイスタンブール市議会の議員に持ちかけたことがあった。

イズミルの友人は、「イスタンブールにいる韓国人が、野党CHPの市議会議員を紹介してくれたけれど、言葉も良く解らないから」というので付いて行ったところ、約束の場所に、そのCHPの議員が、与党AKPの議員と仲良く一緒に現れたので、まず驚かされた。

それから、二人して、「前金がいくら、成功報酬がいくら」と金額まで提示して、許認可を取ってやると言い出したから、また驚いた。あんな対立していたのに、同じ穴の狢だったのか・・・。

トルコでは、役所から許認可を得ようとする場合、“申請書類の間にお札を挟んで置くのは常識”という話がある。

先日、AKPを支持する保守的な友人に会って、これを話題にしたら、「お前、いつの話をしているんだよ?」と呆れたような顔をしたんで、「えっ? 最近はそうでもないの?」と訊き返したところ、友人は次のように答えた。

「あのなあ、トルコの経済発展は目覚しいんだよ。もう今の時代、申請書類の間に挟まるような金額じゃ何もしてくれないぜ」。

 

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