メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

アレヴィー派への差別?

一昨日の便りで、アレヴィー派への差別について書いたけれど、もちろん政教分離の共和国で彼らが公に差別されているわけでは決してありません。都市部の知識層にアレヴィー派は少なくないようであるし、そういった階層では婚姻の際に宗派の違いが問題となることもないでしょう。

就職等で困難が生じることもないのではないかと思います。昨日の便りで話題にしたアレヴィー派の学生の父親は税関に勤める公務員でした。逆に、スンニー派の敬虔な女性がスカーフを被ったまま税関で公務員として働くことはできません。

クズルック村の工場には、敬虔なスンニー派ムスリムの優秀なトルコ人エンジニアが何人も働いていましたが、あるトルコ人スタッフは「ああいう人たちは普通のトルコの企業では昇進できないから、ここのような外資系の企業に入るんだ」と話していました。

トルコの大学ではスカーフの着用が許されていないため、スカーフを被った敬虔な娘さんが一念発起して猛勉強の末、外国の名門大学へ留学を果たしたというのも良く聞く話です。

現在、AKP政権のもと、こういった状況に大きな変化が起こっていると言われていますが、いったいこれからどうなることでしょうか。