最近、トルコでは、米国民主党の大統領候補となったバイデン氏の発言が話題になっているようだ。
それは、バイデン氏が、7~8カ月前に「ニューズウィーク」の紙面で明らかにした発言であり、何故、今頃になって取り沙汰されているのか、背景は未だはっきりしていないらしい。
バイデン氏は、発言の中で「クーデターで倒せなかったエルドアンを選挙で倒さなければならない」として、トルコの野党勢力への支援を表明したという。
エルドアン政権側は、これがトルコへの内政干渉であるばかりか、「クーデターに米国が関与した証左」でもあると反発している。
しかし、トルコで選挙は2023年まで行われる予定がないため、当面、内政への影響は余りなさそうである。
それより、今はトルコでも3ヶ月後の米国大統領選挙に大きな関心が集まっているだろう。もちろん、エルドアン政権と支持者らはトランプ大統領の再選を強く望んでいるに違いない。
実際のところ、中東を混乱に陥れたオバマ大統領に比べたら、トランプ大統領は遥かに平和主義的だった。
また、中東から撤収して、対中国に力を注ごうとしているのは、米国の利益にも適っているだろう。
そして、あまり大きな声では言いたくないけれど、これは日本にとっても悪くない話だと思う。私もトランプ大統領の再選を願っている。
2002年12月、トルコの退役海軍中将アッティラ・クヤット氏は、米国のイラク戦争を支持しながらも、次のように語っていた。
「トルコとしては、この戦争へアメリカ側に立って参加した場合、国際世論に向かって、『我々はこの戦争を止めさせるために最善を尽くした』と言いたいところである。トルコは、戦争が終ってからこの地域を離れて他の場所へ引っ越したりするわけにいかない。また、イスラム教の国でもあり、これらの隣人から恨まれるのは好ましいことではない。」
日本も、米国の対中国戦略に協力しなければならないとして、こういった配慮は必要であるに違いない。そのため、あまり大きな声で言うのは憚られる。中国の人たちとの友好は続けて行かなければならないからだ。