メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

究極のアルコール

先日、「ヨーグルト健康法」とか書いて以来、風邪がすっきりせずに愚図ついていたので、一昨日、強いアルコールで解毒を図ってみたら、翌朝にはすっかり治っていた。
やっぱり「酒は百薬の長」である、とか言って、実際は、その前に風邪が抜けていたのだろうけれど、朝起きて快調に感じたのは、アルコールの酔いでぐっすり寝られたお陰じゃないかと思う。
また、この10年ぐらい、引っ越す度に暖房の設備は良くなってきたものの、今のイエニドアンの家も、マイナスまで下がったら、暖房を全開にしてもなかなか温まらない。そういう晩は、早めに一杯飲んでさっさと寝るのが一番であるような気もする。
しかし、「アルコールで喉を消毒すると風邪が治る」なんていうのは、ちょっと嘘くさい。そもそも、飲めるくらいのアルコール濃度で、消毒の効果など期待できるのだろうか?
一昨日飲んだのは、まさしくその消毒用アルコール「96%」という代物だったが、もちろんそのままではとても飲めない。水で半分ぐらいに割ってから飲んでみた。結果は上々、ちょっと強めのウォッカと何ら変わるところがない。少なくとも、私にはその違いが解らなかった。
これは、トルコの酒造最大手メイ社の製品で、一応大規模スーパーの「酒類販売コーナー」に並んでいた。
他のウォッカラクの750mlボトルが、50~150リラもする中で、「1リットル:43リラ」という価格が目を引き、手に取ってみたところ、商標も描かれていない素っ気ないラベルには、以下のように記されている。
「家庭での使用を目的とする“農産物が原料のエチル・アルコール”」
使用目的として、特に「消毒」が明らかにされているわけじゃないが、「飲用」という表記もない。大きな警告マークと共に「火気厳禁」の注意書きも見られる。しかし、「酒類販売コーナー」で売っているのだから、購入者の大半は、飲むつもりで買って行くのだろう。
最近は、健康と家計を考えて、「飲む日」を少しずつ減らした結果、ほぼ週一ペースになっているが、それでも例のバズーカというウォッカが1ヵ月持たない。他に安いワインも飲んだりするから、月に約70リラは酒代に消えてしまう。

そのため、『なんとか、もっと安くあげる方法はないものか?』と常々考えていたので、この「究極のアルコール」の発見は、非常に喜ばしい。
おそらく、酒類の値上がりで、同様に「安さ」を追求していた人々の要望に応え、これが「酒類販売コーナー」でも売られるようになったのではないかと思う。
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昨年、また「密造酒のラク」で何人も死亡する事件があった。逮捕された男は、「俺にエチルと偽ってメチルを売った奴が悪い」と語って反省の色も見せなかったというから恐ろしいけれど、これで「密造酒事件」が何故後を絶たないか、少し解ったような気もする。
メイ社の「究極のアルコール」でも、ラクの半分から3分の1ぐらいの価格である。市場にはもっと安い「エチル・アルコール」も出回っているに違いない。それでラクを密造しても充分な稼ぎになるはずだ。
そして、この手の「密造ラク」なら、飲んだ人がひっくり返ることもないから、なかなか発覚しない。ところが、何かの手違いで「メチル」が混入されると、たちまち大事件になってしまうのだろう。
まあ、アルコール飲料は、常に仕入先がはっきりしている大手スーパー等で求めた方が良いかもしれない。

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