メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

恐ろしいATM・続

ATMに吸い込まれた300リラが戻って来なかった“事件”から2日過ぎたが、当日、携帯電話に「苦情は受理されました」みたいなメッセージが入っただけで、以来、何の音沙汰もない。
支店から本部に連絡してくれた職員が、「7日以内に・・・」とは言ってたけれど、本当に7日も必要なのだろうか?
それで、試しに銀行の代表電話の番号から問い合わせてみた。職員が「経過を知りたければ、ここに問い合わせてください」と記した番号も、この代表電話の番号だったのである。
これに電話すると、そもそも担当者に行き当たるまでが一苦労だ。今回は2分ぐらいしか掛からなかったから、大分早い方かもしれない。そして、ある程度は経過が解った。
どうやら、吸い込まれた300リラは確認できたらしい。では、何故、まだ返還の通知が来ないのかと言えば、そのATMに設置されている“監視カメラ”の解析が済んでいないからだそうである。
まったく、“監視カメラ”で何を確認しようというのだろう? パニックに陥って、慌てふためいている無様な東洋人の姿が写っているだけじゃないかと思う。
当世、後で恥ずかしい思いをしたくなかったら、何があってもパニックを起こさずに、毅然と行動しなければならないようだ。
私は11年前にも、日本で“むじんくん”の監視カメラに醜態を晒してしまったが、あのATMの監視カメラを解析している連中も、さぞかし面白がっていることだろう。

もう一つ思い出した。7~8年前だったか、エーゲ海地方の工場へ出張して、工場が手配してくれたホテルに、2週間ほど宿泊した際、時々、ホテルのフィットネスを利用したことがあった。
フィットネスには、いつ行っても、他の利用者の姿がなく、私は一人でダンベルなどを上げ下げした後で、誰もいないのを良いことに、大きな鏡の前で「投球フォームのチェックだ!」とか言いながら、いろんな投手の真似をしたりして喜んでいた。
そしたら、最後の日になって、工場の人が、にやにやしながら私に訊いた。「ホテルの人から聞いたんですが、貴方は良くフィットネスを利用していたでしょう? その時、鏡の前で何か変わったダンスをしていたそうですが、それは何だったんですか?」
これも非常に恥ずかしかった。何処に“監視カメラ”があるのか、油断も隙もあったものではない。