メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

「ハツ」と「腸詰」

昨日、神戸駅近くの「丁記商行」という中華食材店で「ハツ」と「腸詰」を買って来た。

「ハツ」の語源は「ハート」らしい。つまり心臓のことで、昨日のハツは豚の心臓を中華風に煮込んだものだ。

丁記商行には、この2ヶ月ぐらいの間に何度か寄っている。中華風に煮込んだアヒルやホルモンが店頭に並べられていて、まだ日本語を巧く話せない店員の中国人女性に「これ、何ですか?」と尋ね、ジェスチャーを交えながらやり取りするだけでも楽しい。

先月、ガツ(胃袋)を買って、切り分けてくれるように頼んだら、彼女は一生懸命長い時間かけて薄切りにしてくれた。しかし、たかがワンコインの買い物で、あそこまでしてもらったら申し訳ないから、今回のハツ(心臓)は切り分けを頼まなかった。

末尾に添付した写真を見て頂ければ解ると思うけれど、切り分ける前のハツの姿は、なかなかインパクトがある。

子供の頃、我が家には、少なくとも年に一度ぐらいは必ず横浜の中華街へ行って御馳走を食べる慣わしがあった。おそらく、苦しい家計をやり繰りして美味しいものを腹いっぱい食べようとしたら他に選択肢もなかったのだろう。

50年前の中華街は、各店の店先に、丸ごとアヒルの燻製(あるいは丸焼き?)であるとか、ハツようにインパクトのある姿のホルモンなどが並べられていて独特な雰囲気があった。いつも「鴻昌」という店に行ったけれど、幼い私にとってここで味わう中華料理ほど美味しいものはなかった。

そして、帰りに必ずガツやハツや腸詰を買い込み、家でも暫く間、中華の味を楽しんだ。

そういった中華風ホルモンは、21~2歳の頃、江戸川橋駅の近くにあった「中華風居酒屋」でも味わうことができた。当時、新宿区内の運送屋で働いていた私は、仕事帰りにここへ寄っては、ホルモンなどをつまみながら中国の酒を飲んだ。紹興酒の他、高粱酒のような白酒も各種揃っていたから、その日に飲む酒を選ぶのも楽しみになっていた。

昨日、久しぶりにハツと腸詰を食べて、上述の話をしみじみと思い出したけれど、残念ながら、飲んだの米焼酎だった。

半年ほど前、神戸の中華街で「汾酒」を買い求め、寝酒に少しずつ飲むつもりでいたら、余りの美味さにどんどん飲んでしまい、さらに「孔府家酒」という酒まで買い込んでしまった。この「孔府家酒」もなかなか美味かった。何故、日本で中国の酒が流行らないのか私にはさっぱり解らない。

しかし、「汾酒」も「孔府家酒」も寝酒としては不都合に思えたので、以来、買い置きの寝酒は米焼酎ということにしたのである。

f:id:makoton1960:20211215145235j:plain

f:id:makoton1960:20211215145306j:plain

f:id:makoton1960:20211215145328j:plain

f:id:makoton1960:20211215145350j:plain

f:id:makoton1960:20211215145409j:plain

f:id:makoton1960:20211215145438j:plain

f:id:makoton1960:20211215145453j:plain