メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

クルディスタン

 今月末に予定されているトルコの地方選挙では、「国の存亡」と共に「クルディスタン」という名称も争点になっているらしい。
クルド系政党HDPは「クルディスタン」に拘り、エルドアン大統領は「トルコに“クルディスタン”などという地域はない」と反論している。
しかし、2013年には、エルドアン大統領(首相)自ら、州制度の構想に言及しながら“クルディスタン州”の可能性について語っていたのである。
その後、2015年にPKKによって武力闘争が再開され、エルドアン大統領も今では“州制度”という考えから大きく遠ざかってしまったのではないかと思う。

エルドアン大統領とAKPを支持するクルド人の友人は、クルド和平の兆しが見えていた2013年の段階で、「BDP(現HDP)は何も変わっていない。私たちは近くにいるから良く解っている。上層部の連中は、今でも分離独立主義者だよ。皆、騙されているんだ」と言って、エルドアン首相(当時)らの融和的な姿勢を批判していた。
友人は家族との会話を殆どクルド語で行うくらいだから、和平プロセスによって「クルド語」の放送や教育が実現したことは喜んでいたに違いないが、分離独立には反対だった。
一方、HDPの上層部の中には、クルド語を話せない人たちもいる。彼らは“分離独立”を望みながら、クルド語の放送や教育の実現をそれほど喜んでいなかったかもしれない。いったい、どういう分離独立を構想しているのだろう?
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