昨日、エキストラ配給エージェントに呼ばれて、タクシムの事務所まで行った。なんでも新聞社の取材があるから協力して欲しいという話だった。
行って見ると、事務所には色んな特徴のあるエキストラたちが集まっていた。超肥満体の女性に小人症の女性、ゲイのおじさん、パントマイム役者、有名人のそっくりさん、そしてナイジェリアから来た黒人さん。
今の日本でこれを記事にしたら、なんだか非難されそうな気もするけれど、こちらでは大丈夫なのだろう。我々エキストラも、皆で和気藹々と、これまでの出演歴などを話し合ったりして盛り上がった。
超肥満体の女性は、１３０キロあるという。なにしろ、これを売りにしているから、なんの躊躇いもなく、自分の体重を明らかにしていた。
有名人のそっくりさんは、トルコ歌謡界の帝王“イブラヒム・タットゥルセス”のそっくりさんらしいが、はっきり言って殆ど似ていない。共通しているのは、ウルファ出身のクルド人という来歴だけじゃないかと思った。でも、そっくりさんとして何度もテレビに出て、本物と共演したこともあったそうだ。
集まっている中に、なんの特徴も無さそうな男が一人いたので、冗談に「貴方の特徴は何なの？」と訊いたら、隣の肥満体女性が「これの特徴は、私の友人ってことなのよ」と言って、「ガハハハ」と笑った。
男はディヤルバクル出身のクルド人で、ゲイのおじさんもヴァン出身のクルド人だったから、そっくりさんも含めて、そこに来ていた“トルコ人”男性は、全員、クルド人でクルド語の話者という事実が明らかになり、これも雑談のネタの一つになった。
取材の方はともかく、皆で何度も大笑いして、なかなか楽しい集まりだった。
＊私の隣に写っている女性は、エージェントの社長で、彼女にはこれといった特徴もない。
