メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トランプ大統領は米国と中東の新しい時代を築けるだろうか?

サバー紙のベルジャン・トゥタル氏は、5月31日付けのコラム記事「トランプの新たな中東ビジョン」で、トランプ大統領が5月13日にリヤドで明らかにした主張を紹介している。

これに先立って、他のトルコ・メディアでも、以下のような、5月13日のトランプ大統領の発言が報じられていた。

「西欧の介入者が中東に飛んで行き、どのように生きるべきなのか、そして、自分たちのことをどのように運営すべきなのかを教えた日々は過去のものになった」

トルコでは、こういったトランプ大統領の主張を未だ懐疑的に見ている論者も少なくないようだが、トランプ大統領への期待感が徐々に高まって来ているのは確かじゃないかと思う。

一方で、トランプ大統領は経済人として親しい関係にあるトム・バラック氏を在アンカラのトルコ大使に任命している。

シリアの特別大使も兼ねるというバラック氏は、米国の生まれだが、祖父はオスマン帝国時代のレバノンから米国へ移民したキリスト教徒であり、アラビア語も話せるそうだ。

このバラック氏の以下の発言もトルコで話題になっているらしい。

「西欧は、100年前に、地図、委任統治、作られた国境線、そして外国人支配を押し付けた。サイクス-ピコは、シリアとさらに広い地域を平和のためではなく、帝国主義的な利益のために分割した。この過ちは後の世代に禍根を残した。これを二度と行ってはならない。西欧が介入する時代は終わった。未来は、地域による解決と共に、共同と敬意に基づく外交へ委ねられた」

オスマン帝国を分割したサイクス・ピコ協定に対して、反省を込めて批判的に語っているところが特に評価されたようである。

オスマン帝国にも様々な問題点はあったかもしれないが、少なくとも多民族の共生という面では、非常に参考となる社会だったのではないかと思う。それは後裔であるトルコ共和国にも受け継がれているだろう。

西欧は、自分たちの流儀を押し付けたり教えたりするのではなく、トルコから共生のあり方を学んだ方が良さそうである。

日本もクルド人の難民問題で大騒ぎしているのは実に恥ずかしい。トルコを見習って、クルドの人たちとの共生を考えてみるべきじゃないのか。

トルコの共生の文化は、オスマン帝国からビザンチン、さらにはメソポタミアに至る悠久の文明に根差しているように思えるのだ。

歴史に疎いと言われているトランプ大統領が、そこまで考えているのかどうか解らないけれど、とりあえず米国とトルコ、中東との間に新しい関係が生まれることを期待したい。

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