メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ベルギー国籍のIS構成員の送還

トルコ国内で身柄を拘束されたベルギー国籍のIS構成員を、トルコ政府はベルギーへ送還すると発表している。 

ところが、ベルギー政府は、IS構成員の国籍を剥奪して送還を拒み、「拘束された国で裁かれるように・・・」などと通達してきたそうだ。 

トルコにいるシリア難民を受け入れようとしなかっただけでなく、厄介ごとは全てトルコに押し付けるつもりらしい。 

ISの犠牲となった欧米の人たちは、そのショッキングな殺害の場面によって、記憶に刻まれているけれど、実のところ、ISによって最も多くの犠牲者が出たのは、他ならぬシリアやイラクである。

「それに比べれば、欧米の被った被害は微々たるものに過ぎない」とトルコの識者らは指摘している。 

また、ISを掃討するために、最も大きな犠牲を強いられたのはトルコだった。掃討戦で多数の将兵が亡くなっている。 

にも拘わらず、さらにトルコへ難題を負わせようというのである。もちろん、トルコ政府も黙って引き下がるつもりは毛頭ないようだ。 

レイマン・ソイル内務相は、1996年の1月にイスタンブールで起きた暗殺事件の容疑者フェフリイェ・エルダル(女性)の送還要求に応じなかったベルギー政府を非難しながら、ISの構成員は必ずベルギーへ送り届けると言明している。 

フェフリイェ・エルダルは、1999年、逃亡先のベルギーで偽造パスポートを所持していたために拘束されたが、1年後に釈放され、トルコ政府の度重なる返還要求にも拘わらず、未だにベルギーで自由に暮らしているという。 

この事件については、以下の駄文を参照していただきたい。